定期試験考「出題はスタンダードこそ王道」

塾の周辺地域の中学校では二学期中間試験の時期になっている。その為、先の週末には月曜日の体育の日まで含めて各学年の試験対策の授業を行った。
普段の授業では英語・数学・国語を扱っているので、短い時間ではあるが、理科・社会に取り組んできた。あとは各自がもう一度復習して試験に臨んで欲しいところだ。
さて、そんな中で思い出した事がある。当塾には複数の中学校の生徒が通っているのだが、かつて一つの中学校の試験範囲表を見た時に、頭の中が「?」で一杯になった事がある。
それは「国語」の範囲にその中学校が採用していない教科書に掲載されている小説のタイトルが二つもあったからだ。生徒によると二つの小説のコピーを渡されて「ここから出すから」と言われたそうである。
種明かしをすると、その小説が載っている教科書は隣接する市が採用していたものだった。しかも二つのうち一つは上の学年の学習対象となっているものだった。おそらく出題者の先生は「学習用のワークなどで出題傾向が分かる小説よりも、高校入試のようにどんな問題が出るのか分からない小説で生徒の本当の実力を知りたい」と思っていたのだろう。
ただしこの先生は一つ見落としていた事がある。それは「塾ならば隣の市の教科書の問題にも対応が出来る」という事である。実際、私もこの生徒用の問題を準備した。こうなると「対応出来る塾に行っている/行っていない」という事で出題者の先生が全く望んでいなかった差がついてしまったのは自明の理である。
この事から、やはり定期試験は教科書を中心としたオーソドックスな出題の方が良いのではないかと考えられる。もしも出題者が生徒の初見の問題への対応力を知りたいのであれば、公立高校の入試問題を参考にする方が良いと思う(ただし所在地の公立高校の問題は見ている生徒がいる可能性があるので外すべきだろう)。

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