[補足]「埼玉県公立高校 国語の入試問題は難しくなっている」

久々の更新です。

現在当塾は春休み期間中ですが、新中1・2・3年生と高校1年生を対象にした春期講習会を既に3月30日から開始しています。

本日(4月4日)で新中1・2年生は終了ですが、新中3・高1生は6日まで続きます。

新年度の授業は4月8日に開始。「今年はどんな一年になるかな」というワクワク、そしてドキドキ感はこの年齢になっても止まりませんね。

 

 

さて、塾が春休み中には教材の整理等雑用もありましたが、新しい情報を入手するのにも時間を割くことができました。

まずは、3月27日の朝日新聞朝刊で報道された2020年度から実施される新大学入試の模擬試験の結果です。これは「大学入学共通テスト 試行調査」として昨年行われたのですが、その結果が発表されたものです。

同新聞では国語の第1問が掲載され、その正答率・解答、問題・結果の分析が行われていました。

問題自体は「ある高校の部活動の規約」「部活動に対する生徒会からの要望」「市内5校の部活動終了時刻」「高校新聞」が資料として提供され、部活動委員会での検討の様子が設定されていました。その中で「50字以内での文章要約」「資料から推測される発言の記載(25字以内)」「資料から推測される発言の記載(2つの必須単語と2文構成・80~120字)」という3問に答えるものでした。

もうお判りでしょう。これまでのマークシート方式による入試問題とは明らかに異なる思考を要求する問題です。

 

次にこの期間に興味をもって読んだのは「週刊ダイヤモンド3月31日号」でした。特集は「中高一貫校」でしたが、その中に今年の開成中学校の国語の問題が掲載されていました。問題自体には「ある商社が百貨店の新宿支店・池袋支店で行ったカニ弁当の販売について、その売り上げ推移のグラフと報告会における部長と社長のやり取り」が記載されていました。そのうえで「社長が部長の報告に客観性に欠けたものを感じたのはなぜか。2つのキーワードを上げよ」「社長が池袋支店の担当者を高く評価するのはなぜか(4つの必須単語と4文構成)」という問題に答えるものでした。

 

こうしてみると大学入試(の模擬試験)と私立中学校入試の違いはありますが、いずれも指向するのは同じ方向です。それは「勉強ための勉強」「机の上での勉強」ではなく「学校や会社など実際の社会生活の中で活かせる知識や論理展開」が要求されているということです。

 

そうした観点から今年の埼玉県立公立高校の国語の入学試験の作文問題を見ると、この問題が大学入試改革の流れの中で同じように作られた問題だということがわかります。確かに例年同様、今年の問題も「(2つの)グラフを読み取る」「自分の経験に即して書く」という出題形式は崩していませんでした。

しかし、昨年の「メディアの迅速性」「メディアの正確性」というアンケートのグラフよりも、明らかに読み取りの難しい「手紙・メールを書くときの重要点」「報告書・レポートお書く時の重要点」というアンケートの結果をベースに作文を書くというのは、受験生の「論理展開能力」をはっきり見たいという出題者の意識の表れだと私は思いました。

 

現在埼玉県の公立高校の入試問題でレベル差を設定しているのは英語と数学だけです。そんな中、国語では「説明・論説文」と「作文」がいわば「学校選択問題」の役割を果たしているのではないかという主旨のことを、以前このブログにて記したことがありました。そしてそれは上記のように2020年の大学入試改革に向けての埼玉県の公立高校の「準備」であるようです。

 

そうであるならば国語の入試問題はかつてのような平均点が70点近くということは、よほどのことがない限りありますまい。

国語も他の教科と同様に体系的な学習を要求される科目になったと言ってよいでしょう。

 

 

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