前回の続きです。
今年から発動した「中3生強制学習指導」ですが、以下のような形で始めています。
1.いつからか?
当塾は例年3月中盤に1週間ほどの春休みがあります。
今年の中3生は、この時点で前回お話した「個人学習用テキスト」を持っていたので、
その春休み期間中からスタートすることにしました。
2.何を学習するのか?
春休み後の春期講習会では中1の理科・社会を学習することになっていました。
そこで、春休み期間中に、その内容の半分を目処に学習するように決定しました。
3.1日の学習を何時間に設定するのか?
この点については中3生全員に「毎日、学習するのに何時間位出来そうか?」と質問しました。
全員が「3時間」と答えましたが、これまでに学習習慣がなかなか身につかない人には難しいことは、
約30年の塾講師の経験上分かっています。
そこで、私からは「2時間にしよう」と提案しました。
1・2日、3時間学習をしてもその後続かなければ意味がありません。
そこで「彼らにもこの位ならば継続できるだろう」という時間を設定しました。
4.どのような学習内容か?
前回お話したテキストを各自で進めてもらう訳ですが、その際に
・ まずは項目ごとの解説を読んで、ポイントをノートにまとめて理解を進める。
・ その上で基礎問題から標準的な問題、入試問題を解く練習をする。
・ 必ず答え合わせをして、出来なかった問題は解説・回答を確認しておく。
・ さらに次の塾の時間で、質問をして疑問を解消するようにする。
一言でいうと
「基本的な学習方法を身に付けて、中1・2の復習を図る」
事になります。
4.学習のはど進捗状況はどのように確認するのか?
これについては、以下のようなグラフを作り、
中3生個人個人の科目別進捗状況が一目で分かるようにしました。
同時にこのグラフを、常時教室のホワイトボードに掲示することにしました。

後輩たちも見ているので、刺激になりますね。
5.春期講習会以降の学習状況について
さて、このように始まった「強制学習指導」ですが、
その後の状況は以下の通りです。
・ 春期講習会中には、中1の理科・社会の残りの項目の学習を行う。
・ 中3に進級後は英数国理社の5科を、1週間でそれぞれ1項目ずつ進める。
基本的にはほぼ1日1時間の受験学習になります。
もちろん学校の宿題や塾の予習・復習もありますし、部活動も佳境に入ってくる時期です。
それを考慮して
「受験生にあまり負荷をかけ過ぎない」
ように考えてこのペースを決定しました。
そのためか中3生からは、ここまで不満等の発言は皆無です。
やはり、これまで学習習慣があまりない中3生の場合、
1学期には「無理をせずに、学習を習慣づける」ことを優先した方がよさそうです。
5.2ケ月後の途中経過報告
まあ、まだ「強制学習指導」」を開始して2ケ月余りしかたっていませんが、ここまではなかなか順調だと思います。
全般的な傾向ですが、
中3生全般に学習に対する「拒絶反応」が皆無になりました。
これだけでも大きな進歩です。
また、「解説ををしっかり読んで理解する」「答え合わせをする」等の
「基本的な学習方法」をおろそかにすることが減ってきています。
これも各自が「前進している証拠」と言っていいでしょう。
もう少し具体的に見てみると、当塾では毎月英語・数学の実力テストを行っていますが、
以前に比べて各自の得点が伸びています。
明らかに理解が進んでいる証拠ではないかと思います。
と、ここまでは上々の進捗状況です。
とはいえ、今月は各部活動の最後の大会もあり、それに伴うハードな練習が原因の疲労。
それによる、個人学習の質量の低下は毎年見られるところです。
従って、この時期も
「無理な進行はしない」「受験生各自が対応できる学習量とする」
という形で「強制学習指導」を続ける予定です。
いずれにせよ勝負をかけるのは
「部活が終わってからの夏休み」
です。そこまでは最低限でもいいので学習を進めるつもりです。
さて「強制学習指導」について2回連続で記しました。
今後も時折、この学習方法の効果・問題点について、途中報告を入れたいと思います。