勉強が苦手な人の共通項 ⑥ 「少しでも考えた? だったら白紙はあり得ないはずだよ」

こんにちは。

 

11月18日のブログで「英検準2級の一次試験に2名合格」と書きましたが、二人ともに2次試験に合格し、準2級を取得しました。

今年の夏休みに初めて「英検対策講座」を設定したのですが、このような成果が出せてよかったと思っています。

この冬休みにも「英検対策講座」を行いますので、ご関心のある方のご連絡・お問い合わせ等お待ちしております。

 

さて、とうとう12月。今年最後の月になってしまいました。中学校は既に期末試験、また中3生は年内最後の模試も終了し、あとは冬休みを待つだけと言いたいところですが・・・。

残念ながら、高校受験生には遊ぶ時間はありません。冬休み期間には埼玉県の入試問題を徹底的に研究・分析する冬期講習会がありますし、年明けすぐに群馬県の私立高校入試があり、1月22日には埼玉県内の私立高校の入試が開始されます。また、冬休み明けには二週間ほどで3回の模擬試験を受けなければなりません。

 

もう数十年前に某予備校が「僕たちの正月は3月だ!」というCMコピーを学生向けの雑誌等に掲載していましたが、今年の中3生ももう少し我慢してもらいましょう。

それに上級学校の入学試験を受けるのはこれが最後になる人の割合も比較的高いと思います。それは高卒後就職する人だけでなく、専門学校への進学者は高校時の内申書による選抜が中心ですし、大学入試でもAOや推薦による受験の割合が高まっているのも事実ですから。

 

 

さて、本日の「勉強が苦手な人の共通項」です。今回は「解けそうにない問題は『テキトー』な答えを書いてごまかす」ということについて書きたいと思います。

本日はさっそく具体的な例から話を進めたいと思います。

 

現在、当塾の中2生の数学は一次関数と並んで、中学数学の最難関の一つである「図形(三角形)の合同」を学習しています。

中学校で使用している教科書やサブテキストでは、これらの証明問題はかなり簡略化されており「穴埋め問題」に近い形で、当てはまる物を書き込んだりすることで「証明終了」としています。

ただこれでは学力はなかなか向上しないと、私どもでは考えており、フルに証明を書かせる形での問題を出題し、回答を書くように指導しています。

 

さて、この「図形の証明問題」が難しいのはなぜでしょうか?

それは単純な計算問題と違い「A=B、B=C、よってA=C」のように段階を踏んだ理論展開が必要だからです。

ここでの最初の基本事項は「三角形の合同条件」ですが、しかしこの合同条件を覚えただけでは証明問題を解けるようにはなりません。

 

そこで、まず塾で指導しているのは「同じ長さの辺、同じ大きさの角にマーキングをしなさい」ということです。簡単に言えば、問題に示されている図形の中で何が同じものなのかを明確にすることです。

例えばここで「二つの三角形があり、一つの辺の長さとそれに接している一つの角の大きさがそれぞれ同じ」とします。するとあとは以下の二つのうちどちらかが同じであれば、ここに出てきた二つの三角形は合同と証明できます。

 

・ 同じ長さの辺と同じ大きさの角を挟んだ辺の長さが同じ・・・二つの辺の長さと間の角の大きさが同じで、二つの三角形は合同

・ 同じ長さの辺の同じ大きさの角の反対側の角の大きさが同じ・・・一つの辺の長さと両端の角の大きさが同じで、二つの三角形は合同

 

ここで大切なのは「二つの三角形は合同」という結論は出ているのですから、そこから逆算する形で「この問題には三角形の合同条件の何が使えるのか?」ということを考えることです。

 

残念なことに「勉強が苦手」と思っている人は、この「考える」ということを放棄してしまいます。

当塾では、毎回の授業と同じ内容・問題のプリントを「復習用」として手渡しています。家でもう一度しっかり問題を解いて知識の定着を図っているのです。

そしてこの証明問題のプリントでは、どうしてもできない問題が出る人が多いので、授業の最後にヒントや途中までの考え方・解き方を説明します。

「50%までは教えたよ。あとは自分でしっかり考えて力を付けよう」という狙いです。

 

ところがそれを確認する次の授業の時に、生徒さんの答案を見てみると問題の前提条件でも何でもないものを「仮定」と書いて「どう考えても成立しない証明」を書いてくる人がいます。上の例でいえば「三つの辺の長さが等しいから合同」と答えるようなものです。

まあ「分からなかったから『テキトー』に答えてみました」ということでしょう。こちらとしては当然「それは仮定にあったのかい?」「辺が等しいことは計算で出したのかな?」とツッコミを入れて、「そういうわけだからこの合同条件は使えない!」と結論付けることになります。

 

ただ、更に上を行く生徒さんもいます。そういう生徒さんの第一声は「一生懸命考えたんですけど全然分かりませんでした」というものです。

しかし、そういう生徒さんの答案は全くの白紙であることがほとんどです。そこで私の彼らに対する質問は次のようになります。

 

「『一生懸命考えた』って言ったけど、何にも書いていないのはなぜ? 『ああでもない』『こうでもない』って考えたら、消しゴムで消した跡くらいあるはずだよね」

「この前の授業の最後で私はヒントを出したよね? それすらも書いていないんだが、何でだい? それを書かないでわかるのかな?」

「『まずはマーキング』って言ってるよね? この図を見ると全くマーキングしていないんだが、これで考えられるのかな?」

「『一生懸命考えた』って言ったけど、分からないのならば以前やったプリントは見直した? 解説は再確認した? そういったことをやったら10~15分くらいは軽く掛かると思うんだけど。実際、どれくらい時間を使って考えた?」

 

その上で「本当は何も考えていないでしょ。問題を見て『あ~あっ、面倒くさい』って思ったんだよね」「ただそれをやっていたらいつまでたっても証明問題は解けないし、今後全ての学習の面で必要になる『理論的に物事を考える力』も身に付かない」「だから『最初から全部解けないとダメ』と考えるのではなく『今日はここまで分かった。次は分かる範囲を増やしていこう』と考えていこう」と伝えています。

 

数学の証明問題だけでなく、勉強が苦手と考えている人は「すぐに理解しよう・正解を書こう」とするのではなく、少しずつ「自分自身でわかる範囲」「正解が書ける学習内容」を増やしていくように考えていくようにしてもらえればと思います。

「ステップ・バイ・ステップ」ですね。

 

さて、かなり長くなりましたが、今回のブログは終了です。

この「勉強が苦手な人の共通項」はもう少し続ける予定です。いましばらくお付き合いください。

 

それでは今日はこの辺で失礼します。

 

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