「進学校」から「名門校」へ(9月6日分)

更新遅れてすみません。

さて、夏休みも終了して二学期開始。

塾の授業も通常モードに戻り、穏やかな時間が流れています。とは言え、中学3年生は本格的な受験生生活が続くので、ここから半年は頑張ってほしいところです。

 

授業はいつもの流れを取り戻していますが、私立高校の学習塾向け説明会は佳境に入っています。1学期に3件の説明会に参加しましたが、今月は既に参加した2件を含め来週末までに合計7件を予定しています。日程が重複したため、お断りの連絡を差し上げた私立高校もありました。

埼玉県内の私立高校といえば昭和時代にはほとんどが「県立高校の滑り止め」の位置にありましたが、現在では公立高校を上回る大学進学実績をあげる高校も増えており、「芋は育つが、私立高校は育たない」と言われた時代とは隔世の感があります。特に当塾の受験生の主要ターゲットとなっている県北の深谷・本庄市内の4つの私立高校は、ここ十数年募集人員に対して単願志願者が50%以上となっており、各高校の努力の跡が偲ばれます。

 

ところで、そんな埼玉県内の私立高校ですが、基本的には「進学校を目指す」というモードで受験生や保護者の方々のニーズに応えようとしていると言っていいでしょう。となるとどうなるのか?

それはもう「入学したらお勉強の連続」「わき目も振らず勉強に集中」「先生の言うこと聞いて勉強」「勉強漬けの3年間」という風に中3の受験生が捉えかねないイメージが作られるのは致し方ないところです。まあ、厳しいと言われる私立高校に行っている塾の生徒からの話では「そんなでもないですよ」という声もあり、それぞれの高校やそのコースによっても要求される学習量は違うので受験生には「説明会でしっかり話を聞いたり質問して、事前確認をしておくことが必要だよね」という話は毎年のようにといいますか、毎月しています。

 

そんな「進学校」志向の強い埼玉県内の私立高校ですが、一部の高校ではそこから脱却して次のステップへと目を向けています。ここでのキーワードは「自主性」。このような高校は学習面での指導は細かく行うのですが、それ以上に次のような説明があります。

「授業では単純に答えを教えるのではなく、なぜという問いかけをしつこいくらい繰り返す。それにより、生徒の予習の取り組みに妥協がなくなる」「できる限りグループ学習の時間を多くして、生徒がお互いに質問しあったり、教えあったりするようにしている」「フィールド・ワークも計画から実施・発表までグループで行う」「学校行事も、学校側からは生徒会にX月X日にXXXをやってくれと依頼するだけで、企画・運営には原則として口を挟まない。それで失敗しても、その原因・対策まで自分たちで追及することが生徒たちの成長につながる」(この最後の行事について説明してくれた先生は「だからウチの行事は自主的に運営に参加する生徒も多く、毎年のように新しいアイディア満載で盛り上がります」と言われていました)

 

話を聞くと文科省が2020年から推進する「アクティブ・ラーニング」の先取りと言っていい内容ですが、こういった高校では文科省の方針転換以前からこのような志向があったといえます。単なる進学校では終わらないということですね。

そして埼玉県内にはこのような生徒の「自主性」を重視して教育を行ってきた高校があります。それは「ナンバー・スクール」と呼ばれた旧制中学校や女学校です。また一部の大学付属高校もそのような教育を行ってきていました。こういった高校では、良い意味で生徒の帰属意識が高く、卒業してからもその「雰囲気が良かった」という印象が強いのです。いわば「名門校」です。ですから昭和時代に比べて難関大学への進学者数が減っても、一定以上の学力水準を持つ受験生が集まるのです。OB・OGが作り上げた「伝統校」という看板も大きな影響を与えています。

 

上記の私立高校の動きは、いわば「進学校」から「名門校」へのグレード・アップを図っているといっていいでしょう。単純な「公立高校の滑り止め」の時代は終わった。次の「生徒の自主的な学校参画」による「名門校」化がなされたときに、埼玉県の私立高校は初めて「県立高校に追いついた」といえるのではないでしょうか。

 

 

というようなことを昨日の某私立高校の入試説明会の帰り道で考えていました。

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