中間テスト対策中ですが、もしもテストがなくなったら・・・

こんにちは。

近隣の中学校はこの週末に二学期中間テストがあります。

今年は10月22日の即位の礼のため、例年よりも早まったようです。

というわけで、当塾では先週から通常の授業に加えて、休日や合間の時間にテスト対策の授業を行っています。

特に中1・2生の場合、普段の授業では扱っていない理科・社会を中心に対策を行っています。

短期間でかなりの範囲を見るため、生徒さんにも基本的な問題を家で解いてきてもらうなどしていますが、この頑張りが良い結果につながることを望んでいます。

 

さて、先週のブログを読んでくれた保護者の方から「先生、先月最後の『カンブリア宮殿』見ましたか?」という質問を受けました。

「東京の麹町中学校の話ですね」と答えると「そうです、定期テストがないなんて面白いことをやっていますね」と返されました。

 

ご覧になっていない方も多いと思いますので、掻い摘んで概略を記しますと、

 

 

「東京都千代田区立麹町中学校では『生徒が自分で考え、自分で行動できる、自立した子供を育てる』を目標に次のような方針で学校を運営している。

 

・ 夏休みを含めて宿題なし

ただし、生徒個人の「解らない」をなくすために、自分の学習計画を自分で立案し、実行するように指導する。

 

・ 中間・期末等定期テストなし

代わりに小テストを頻繁に行う。生徒が希望すれば小テストは2回受けることができ、成績には2回目の結果が反映される。

 

・ クラス担任なし

現時点で中3は8人の教師が学年全体を見るようにする。三者面談では保護者と生徒が面談する教員を指名できる。普段の相談もコミュニケーションが取れている教師と行うことができる。

 

・ 体育祭のクラス対抗なし」

 

う~ん、これぞ「Students First」 と言うべき取り組み方でしょうか。

当塾の生徒が通える距離内に「Students First」を謳っている高校がありますが、この麹町中学校の取り組み方は徹底しているといえます。

「テスト」という手法によって縛るのは直前の「慌てて勉強する」学習態度を習慣化する可能性を持っています。それに対して上記の手法は「自分が物事に取り組めるように、生徒の自主性を育む」ことを実践しているといえるでしょう。

また、先日説明会に参加した高校では「当校の場合、正直申しまして基礎学力に自信がある生徒さんがあまり多くありません。そこで中間・期末テストではなく、毎月テストを行うようにしています。短い範囲を繰り返し学習することで基礎学力のアップを図っています」と入試担当の先生が話されていました。

麹町中学校の手法はどの生徒さんにも、学習内容をしっかり解らせるためにステップ・バイ・ステップで進んでいくものです。それも生徒の自主的な意欲を上げ続けながら。

因みに前回のブログで取り上げた福岡県の町立中学校はこの麹町中学校の手法を一部導入しているようです。

 

ただ現在の入試の仕組みと照らし合わせてみると、一部懸念されることがあります。

 

それは「高校入試の出題範囲は中学3年間の内容」であるということです。小テストのような範囲の狭い試験に慣れた生徒が、果たして「範囲無制限」と言える入試問題に対応できるのかということです。

まあその辺りは、中1生・中2生から早めに模擬試験を受験するなど、保護者の方と生徒さんで考えればある程度は対応できるかと思います。

 

逆に言いますと、既存の「良い大学へ行って、良い所へ就職」というルートを目指すのではなく「どのような状況下でも、自分がきちんと力を発揮して生きていくことができる」という生徒さんを育てるルートを作ろうとしているといえるのではないでしょうか。

同時にそれは既存のルートへの対応以上に教育の根本的な目的でないかと私には思われます。皆さんはどうお考えでしょうか?

 

 

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