文系? 理系? そんなに早く決めようとしても

お久し振りです。また、新たな気持ちで記録を続けたいと思います。

 

さて、昨日から始まった当塾の夏期講習会の話をしようと思ったのですが、本日は先週末に行われた「彩の国進学フェア」でのことをお話ししたいと思います。

 

ご存知の方も多いと思いますが、このフェアは公立・私立を問わず埼玉県内のほとんどの高校が一堂に集まり、担当の先生が中学3年生とその保護者の方々に対し個別に学校紹介をしたり、疑問・質問に答えたりするものです。例年、さいたま新都心のスパーアリーナで開催されていますが、会場を取り囲むほどの長蛇の列ができ、会場時刻前に着いても、会場時刻には入れない状況が続いています。その様子は昨年も同じ時期のブログに書きましたし、今年も会場時刻の25分前にスパーアリーナに着いたのに、入場できたのは会場時刻の20分後でした。

 

今回の目的は「情報の少ない県南の公立高校、特に普通科の現状を確認する」ことでした。

 

そこで、多くの人が並んでいる高校からさほどでもない高校まで7~8件ほど、話を聞くことができました。かなり多くの高校を回ることができたのは「高校の全般的な説明は、後日行われる高校説明会で伺うので、こちらから質問をさせて戴きたいのですが」と当方が主導で話のペースを作ったためです。受験生や保護者の方々が気にしている「英検等の資格の扱い」「受験生の内申書の中心となっている数値」「内申書と実際の入試の取り扱い」等をメインに話をしてきました。

 

そこで一つ気になったことが出てきました。ここ数年、特にその傾向が強くなっていたのですが、大学進学率の高い公立高校普通科では、ほとんどが高2時からいわゆる「文系」「理系」のクラス選択を行っています。そして決定までのスケジュールですが「高1の5ないし6月に最初の希望を取り、二学期の中盤までには最終決定する」というのが一般化されています。

 

しかし、入試の荒波を乗り越えて高校生活をスタートさせたばかりの高1生にこれは結構酷なことではないでしょうか? 「大学やその後の職業についてじっくり考えたい」というニーズを持つ生徒は多々いるはずです。実際、当塾の中3生とは10日ほど前に一人一人と話をしましたが「大学に行きたい」という生徒でも「文系」「理系」については知識のない生徒は比較的多くいました。ですが、今回話を聞いた各高校のこのシステムではそのようなニーズには対応できるとは言い難いと感じました。

 

そうするとどうなるのか? どの高校でも高3に上がるときに「コースを変えたい」「文系じゃなくて理系でやりたいことが出てきた」という生徒が必ず出てくるそうです。それも1人や2人という少数ではなく。それに対する各高校の対応ですが「理系から文系へのコース変更は認める」ことはほとんどの高校で出来ていました。しかし、その逆「文系から理系へ」というコース変更は「残念だが対応できない」という高校が多くなっていました。高2で履修する数学によるものです。

 

その中でも「やはり生徒の希望をかなえてあげたい」と文系から理系へのコース変更を認める高校もありましたが、そのカリキュラムを見ると「これでは難関といわれる大学の理系学部への入試には対応できないだろう」ということが想像できる内容でした。

 

「自分には将来何ができるだろうか?」「自分は将来どういう仕事をしたいのか?」という自己実現の一部として「文系」「理系」というカテゴライズがあるはずですが、そのためには正直もう少し生徒一人一人に考える時間を与えてほしいと感じました。

 

ただ、それが時代のニースだというのであれば、学習塾といしては「ある程度の年齢から正確な情報を生徒に提供する必要がある」とも考えます。高校入学後「聞いてないよ!」という事態を避けて、自分で納得いく選択をしてもらうためにも。

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