3年目の学校選択問題を追ってみる ⑧ 導入の理由

こんにちは。次回水曜日が難しいため、本日更新いたします。ご了承ください。

 

本題に入る前に・・・。

本日のニュースで「ベンチャー企業のAIが司法試験の問題を60%予想した」と報道されていました。

この企業では「過去8年の司法試験の問題」「問題集の3500問」「ネット上の法律用語」を学習させたうえで、「問題とその回答を予想した」そうです。

基本的にマークシート方式の問題ですが、この企業では「来年の大学センター入試等の問題も予想したい」と言っているとのこと。

AIのような仕組みだとマークシート方式のような複数の答えから選びだすような問題は得意でしょうね。こうなるとやはり人間は「思考」することが重要なのだとわかります。

また「試験」と名前が付くものには、過去の問題に取り組むことも大変有効な学習法であることが、この記事から読み取れるのではないでしょうか。

 

 

さて、本題です。

 

埼玉県の県立高校の入試問題に現行の「学校選択問題」が取り入れられたのは3年前の2017年度入試からですが、その2年前2015年の県議会では県教育長が次のように述べています。

 

・ 入試問題は1種類がベストである。

 

・ ただし、英語と数学では正答率が極端に低いものがあった。

 

・ 逆に得点に差がつかず生徒の選抜資料になりにくいものもあった。

 

県議会で「県立高校入試の数学で難しすぎる問題が出題されている」という議員からの質問・意見は数年に一度の割合で取り上げられており、この前には2013年6月、2014年2月にも指摘がありました。

 

このような中、埼玉県サイドでは「受験生の力を発揮させて、個々人の学力レベルをしっかり把握して、選抜資料としての入試の機能を最大限に活かす」ことを目標として、学校選択問題を取り入れたといえます。

 

と同時に次のような要素もあったかと推測されます。

 

・ 2020年からの大学入試改革に向けて、記述式・論述式問題など、しっかりした論理的思考ができる教育環境にしたい。

 

・ 東京都が「都立復権」を掲げて、自校問題を作成しており徐々に成果が出ている。かつては「私立高校不毛の地」だった埼玉県でも、近年進学校と言われる公立高校をしのぐ大学進学実績を上げる私立高校が出てきている。県民の中には、まだ東京都ほど「大学進学は私立高校」という認識は高くないが、公立高校の進学校としての位置づけをきちんと維持したい。

 

このような観点から大学進学を中心に卒業後の進路を考える普通科の進学校に対して「学校選択問題」という機会を設定したのではないでしょうか。

 

最初の2017年度入試の際には、県が学校選択問題のサンプルとして、過去の入試問題から比較的難度の高い問題を提示していましたが、本番ではそれとは比較にならないくらいレベルの高い問題が出されました。

特に数学は受験生の最低偏差値が60程度と推測される実力の持ち主ばかりなのに平均点が40点台と「これは難しすぎるんじゃないか」と首をひねらざるを得ない内容でした。英語との平均点の差は30点近くあったのです。

しかしながら、その差は徐々に縮まって、今年はほぼ10点。1年目のような極端な差は解消されてきています。

製作者サイドが3年目を迎えて、試験問題造りに慣れてきた、ということでしょうか。

 

というわけで、確実に定着しつつある「学校選択問題」ですが、今後はどのようになるのでしょうか?

 

次回はそれに触れて、このテーマの最終回にしたいと思います。

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