3年目の学校選択問題を追ってみる ⑨ 志望校選択への影響

こんにちは。当塾のある地域の中学校では1学期の中間試験も終了しました。

メインの中学校は今日から修学旅行。京都・奈良への二泊三日だそうですが、ン十年前の私の時と変わっていませんね。

ただ、旅先でのグループ活動や自由時間は大幅に増えているそうなので、その点からはちょっとうらやましいです。

 

さて、このテーマもなんと9回目になりました。

「いつまで続けるんだ!」というお叱りの声もあると思いますが、もう少しお付き合いください。

今回は「学校選択問題の導入によって、受験生の志望校選択にどのような影響が出ているのか?」について見ていきたいと思います。

ここまで読んでこられた方はご存じの通り、学校選択問題は一般の入試問題に比べて高い難度になっています。

となれば、英数にあまり自信のない受験生が「学校選択問題を避けて、一般入試問題の高校を受験しよう」と考え、それを実行することは十分にありうる話です。

 

ちなみに学校選択問題を採用している高校は「ボーダーラインが偏差値60以上」とよく言われますが、採用していなくてもそれに近い高校と合わせて、導入前のH28年度入試から今年H31年度入試までの倍率と合格者の平均偏差値を比較調査してみました。

 

 

対象としたのは以下の高校です。

 

学校選択問題採用校・・・浦和高校・浦和一女高校・浦和西高校・市立浦和高校・大宮高校・春日部高校・春日部女子高校(H31年度から)・川口北高校・川越高校・川越女子高校・川越南高校・熊谷高校・熊谷女子高校・熊谷西高校・越谷高校・越谷北高校・所沢高校・所沢北高校・不動岡高校・和光国際高校・蕨高校(21校)

 

一般入試問題採用校・・・浦和南高校・浦和北高校・与野高校・大宮北高校・川口市立高校・上尾高校・所沢西高校・坂戸高校・松山高校・松山女子高校・本庄高校・深谷第一高校・越谷南高校・春日部東高校(14校 *当方の主観にて選出しました)

 

 

その結果次のようなことが分かりました。

 

・ 合格者の平均偏差値が65を超えている高校の場合、導入前と導入後では、倍率・平均偏差値共に大きな変動はない。ここから「これらの高校では学校選択問題の採用、不採用で動揺しないだけの学力があると考えている受験生が中心になっている」と考えられる。

 

・ 学校選択問題の採用により最も大きな変化があったのは、春日部女子高である。採用した今年度は普通科で倍率が1.00に達しないという事態になった。ただし、この傾向が来年度の入試以降も続くかどうかは、しばらく様子を見る必要がある。

 

・ また当塾のある県北地域では「熊谷西高校・本庄高校・深谷第一高校」のラインに少しずつ変動が表れている。熊谷西高校は普通科の倍率が採用前年から1.22倍>1.18倍>1.12倍>1.04倍と低下傾向が続いている。これに足して本庄高校は1.32倍>1.40倍>1.33倍>1.15倍と学校選択問題が実施される前に比べ、2年間は高倍率を維持してきた。今年度の入試で倍率が低下したのはこれまでの高倍率とそれに伴う高難度化を嫌った受験生が多くなったためと考えられる。では、本庄高校を避けた受験生はどこに行ったのか? その受け皿となったのが深谷第一高校であろう。同校の倍率推移を見ると、1.23倍>1.19倍>1.23倍>1.40倍と今年度はかなりの激戦になっている。

 

・ 以上のことから、学校選択問題の採用により、上記の県北普通科3校には次のような傾向が出ているといえる。  熊谷西高校・・・やや易化 本庄高校・深谷第一高校・・・やや難化

 

・ ただし、その他の地域・高校では同様の傾向があるとは言い難く、来年度入試の結果から新たな動向が割り出されることもあるであろう。

 

以上、学校選択問題の影響について倍率等から考察してみました。結果等について更に細かく知りたい方は当塾に直接ご連絡いただければ幸いです。

 

さてこのテーマも次回で最終回といたします。ぜひもう少しお付き合いください。

 

 

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