「苦手から逃げる」=「志望校が逃げる」  しくじり先輩2

B君は中3になる段階で入塾。

この時点で明確な志望校があったため、こちらが自主学習のモティベーションを上げる必要はありませんでした。

 

しかしB君にもウイークポイントが一つ。

英語が苦手だったのです。

 

元々、理数系は得意でしたし、国語・社会まで含め4科目では志望校のボーダーライン近くの成績を示していました。

ただ、英語のみが大きく足を引っ張り、5教科トータルでは合格圏に達していませんでした。

 

B君自体は

「英語が苦手でも、他の4科目でカバーして合格する」

という考えがあったようです。

 

これに対して、私は次のような話をB君にしました。

「このままの状態で、英語の理解が進まないと

①.今後の高度な内容はますます理解できず、英語の成績(偏差値)が下がり続ける

②.志望校入学後に、高校の授業についていけない可能性が大幅に上がる

ことになる。

だから『他の科目だけで合格する』という考えは危険だ」

 

B君はこのことを理解してくれて、少しずつですが英語の学習時間を増やしました。

ただ、中学入学直後から持ってしまった「語順の問題」「単語のスペル」等の

「英文法の誤解」はなかなか修正が難しく、時間が掛かりました。

 

そこで

「現在、志望校のボーダーラインと言われる成績に、偏差値が『8』程度足りないが、

入学後にも極端に困らないように『3~5』位の差まで縮めていこう」

と提案しました。

 

このことで、少し気が楽になったのか最終時期の模擬試験では、この「3~5」程度の差のレベルまで、英語の成績を上げてきました。

 

 

ただ、残念ながら第一志望の高校には届きませんでした。

B君は第二希望だった熊谷西高校に合格し、入学を果たしました。

熊谷西高校も県北の公立高校では共学校No.1の高校です。そういう点ではB君の挑戦は必ずしも100%失敗とは言えないでしょう。

 

ただ、塾講師として反省点を上げると

①.英語や数学のような積み上げ科目の苦手克服には、時間が掛かることを受験生にもっと強くうったえるべきだった

②.「これ以上易しいところはない」「基礎中の基礎」からのやり直しが、苦手克服には一番早く、効果的である

やや極端な話に聞こえるかもしれませんが、苦手でどうしようもないならば、英語は中1の教科書の最初から、数学ならば小学校算数の分数の計算・比・速度・図形の面積と体積から復習することが効果的です。

③.定期的に学習状況を確認し、学習プランの見直しと実施に協力すべきだった

大体二週間ごとを目安にしていましたが、更に頻繁にしてもよかったのではと考えています。

④.苦手科目が英語ならば、国語との連携学習をもっと積極的に進めるべきだった

B君が「英語文法」が苦手なのはわかっていたので「国語の文法とコラボして勉強すると効果的だよ」と告げたのですが、こちらはあまり進んでいなかったようです。③同様、頻繁なチェックが必要だという事です。

 

今年も多くの中学3年生が当塾で受験勉強に励んでいます。

もちろん、大半が苦手科目を持ち、その克服に苦しんでいますが、上記の通り、そのままにしておくと

・ 模試の成績が安定しない

・ 高校入学後に苦労する

ことになります。

 

現在中2以下の人たちは、こういったことを考えて少しずつ苦手科目にも取り組む様にしていってほしいですね。

毎年、受験直前に「時間が足りない!」「もっと前からやっておくんだった!」という人が必ず出ます。

そうした人が一人でも少なくなるように、協力したいと考えます。

 

 

 

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