最後の1点を取りに行け! ー実質倍率は下がるー 

埼玉県公立高校入試は明日3月1日に迫りました。

昨日までは中1・2年生が期末試験のために大挙自習室に来ていたのですが、本日で関連する中学校の期末試験は終了のため誰もいません(と書いていたら週末の模擬試験に向けて中2生が一人やってきました。大したもんだ)。また、本来火曜日は中学2年生の授業があるのですが、先日の土曜日に前倒しで試験対策授業を行ったため、今日の中2の授業はありません。

その代わり、というのもおかしいですが、中3の自習室フル利用コンビが午後5時過ぎから3時間ほど最後のチェックのために訪れました。明日のこともあり、今日は早めに切り上げましたが、悔いのないチャレンジをしてほしいと思います。

 

 

 

さて、先週予告しました「倍率は必ず下がる」というお話です。これには以下の3つの理由があります。

 

①.当日欠席する人(事前に取り消しする人を含む)・入試後の合格辞退者がいる。

②.転入学者募集定員も募集人員に組み込まれる。

③.ボーダーラインで並んだ場合、全員合格になる。

 

では、それぞれのケースを見てみましょう。

 

①.当日欠席する人・入試後の辞退者がいる。

まだまだ寒いこの時期、まして今年のようにインフルエンザが例年以上の患者数をキープしているような状況では、300人以上の受験生の中にはダウンしてしまう人がいる可能性が高くなります。また、倍率に恐れをなして辞退してしまったり、逆に公立高校を「滑り止め」と考えていたが、本命の高校に合格したため結果発表の前に中学校を通して「合格を辞退する」ということもあります。

ただし、いずれの場合も理由としては稀なケースです。

 

②.転入学者募集定員も定員に組み込まれる。

新聞の倍率発表のページで各高校の募集人員を見て「何だ、この中途半端な数字は?」と思った方もいらっしゃると思います。特に普通科の高校では定員が278・318・358名のように一桁が「8」になっている高校が多いのです。またその隣にはカッコつきで(2)のように表記されている数字があります。これは「転入学者募集定員」なのですが、実際にはほとんど100%が明日の入学試験で合格者の中に組み込まれます。

つまり、先ほど記載した定員278・318・358名の高校は実質280・320・360名が定員と考えられる訳です。公立高校の場合、1クラスは40名ということになっているので、これでいずれも40名の倍数でクラス編成ができることになります。

 

③.ボーダーラインで並んだ場合、全員合格になる。

埼玉県公立高校の場合、入試の合格は「実際の入試での得点」+「内申書と呼ばれる調査書」の合計点で決まります。その割合等は各高校によって異なっています(比率等の情報は県教育委員会のHP等で公開されています)。

ここでの問題は「定員の最後の一人で、その持ち点が並んだ場合、誰を合格にするのか?」ということです。答えは「全員合格です!」

では、例として2014年の浦和第一女子高校の入試結果を見てみましょう。この年の同校の募集定員は358(2)名でした。それに対して

倍率確定時 542名(1.51倍) 入試当日 538名(1.50倍) 最終合格者数 376名

何と、定員を18名も上回って合格者を出しているのです! これにより、最終合格者数に対する倍率確定時の志願者の実質倍率は1.43倍でした。

定員が358名(実質360名)ということは9クラスです。この年の同校の一年生は各クラス42名で構成。1クラス当たりに少なくとも2名は最後のボーダーラインで並んだ人がいることになります。何という激戦でしょうか!

 

しかも、この「ボーダーライン上の争い」はこの年の同校だけではありません。

翌2015年の入試では浦和高校がやはり定員を18名上回る合格者を出しています。

 

また、昨年度の入試でも当塾での進路指導のためピックアップした主要な高校でも以下のような定員を上回る合格者がありました。

浦和高校+12名、浦和一女高+8名、大宮高校+13名、熊谷高校+4名、熊谷女高+8名、熊谷西高+4名、本庄高校+10名、深谷一高+10名

 

 

さあ、ここまで見てきたことから私が明日の、そして来年以降の受験生に言えるのは次の通りです。

 

・ 倍率を知ることは知らないよりはいいレベルのことである。

 

・ それよりも重要なのは最後の一人でもいいからボーダーラインに入ること。

 

・ そのためには、最後の最後まで諦めずに「最後の1点」を取りに行くこと。その1点があなたをボーダーライン上に引き上げるかもしれないのだから。

 

明日、埼玉県公立高校の全ての受験生が全力を出せるように祈ります。

 

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