部活動考

ブラック企業のニュースが新聞やテレビを賑わす昨今だが、先月末には学校の先生の「ブラック企業勤務」振りが報道された。
曰く「成果主義」が導入されて報告書造りに追われている、クレーマーが急増している、部活動には残業代・休日出勤代が支払われない、……等があるという。
で、ここでは塾の生徒と直接関わりのある部活動について記したいと思う。
以前から部活動に(極めて)熱心な一部の顧問の先生の中には、あたかも生徒の自主学習よりも部活動への参加を優先させるような人がいた。
例えば「模擬試験なんぞ受けなくてもいい」と言わんばかりに同じ日に部活動の試合を入れてみたり、最後の大会が終わって引退した生徒に「夏休みには1・2年生の練習を手伝いに来い」という顧問もいた。
一番酷いと思わせたのは「高校なんかオレの顔で入れてやる」という顧問がいたが、その「顔が利く」という高校が通学に1時間半以上かかる私立高校で、部活動を続ける事が入学の条件だという。その部活動は件の高校の「売り」になっているので、当然朝早くから練習がある。
この話を聞いた塾生の保護者の方が「高学費・長時間通学、さらに早朝通学なんて無理です」と言うと、顧問の先生は不思議そうに「こんなに良い高校はないのに」と言ったそうである。
確かにやる気が無い顧問のよりもやる気満々の先生の方が部活動は盛り上がるだろう。しかし、先生の本業はあくまでも授業で教える事。自身の活動の軸足を部活動に置くのはやはり首をひねらざるを得ない。
都市部では野球やサッカーは学校外のクラブ・チームによる活動が盛んになっていると聞く。理由は様々だと思うが、学校という狭いエリアの中での活動よりも魅力的に感じられる人も多いと思う。
顧問の先生の労働条件、そして何よりも参加する生徒の事を考えると「部活動」は岐路に来ていると思う。

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