空欄は0点 「答えを書かなきゃ始まらない」 ~埼玉県の高校受験・傾向と対策③~

今回は前回の続きとして

・ 割合が高くなった記述・論述問題への対応

・ 高難度の学校選択問題への対応

についてのお話をします。

 

まず論述問題の割合への対策として

・ 知識を正確に理解して、関連付けをすること

が必要になってきます。

 

例を挙げましょう。2021年度、社会科の大問1・世界地理の問3です。

「パリ、バース、サンフランシスコの三つの都市の気温と降水量を調べ、・・・グラフを作りました」

「地中海性気候に属するサンフランシスコの気温と降水量を示すものを…選び、その記号を書きなさい」

「そう判断した理由を、・・・グラフの・・・6月から9月の気温、気温と降水量の関係・・・に着目して説明しなさい」

この問題を解くポイントは A.「地中海性気候」を理解しているか? B.その特徴を雨温図から説明できるか? の2点になります。

 

さて、どれが「地中海性気候」を表しているのでしょうか?

 

従ってここではまず「地中海性気候は温帯で、夏に雨が少なく、冬に多い」という知識が必要です。

すると問題の中の地図で、サンフランシスコは北半球にあるから「6~9月は夏で雨が少ない」と判断できます。

あとは雨温図の読み方に注意すれば、選ぶべきグラフは「イ」と分かります。

説明については「6月から9月の夏の時期に、降水量が少ないから」とすれば正解です。

 

よく社会や理科の生物・地学は「暗記物」という方が多いのですが、このような問題は知識だけで答えを書けません。

正確な知識をベースとした物事の関連付けが必要なのです。

 

 

続いて学校選択問題への対応ですが、一言でいうと

・ 難しい問題に慣れておくこと

です。

 

例えば、英語では大問3の説明文が学力検査問題との大きな差になっています。そのテーマを時系列で見ると

2017年 「光害」

2018年 「家庭用太陽光発電」

2019年 「生態系の保護」

2020年 「日本の伝統的工芸品」

2021年 「生物の共生」

となっています。

いわゆるSDGsをテーマにしたものが多いですね。また単語等も抽象的な表現のモノが多く出されています。

 

そこでこれらの対策としては、標準的な高校入試問題よりも1ランク上の問題で学力育成を図るとよいかと思います。

もう少し具体的に言いますと、

都立高校の自校問題(日比谷・青山・西・立川・国立・新宿・八王子東・国際の各高校が独自に作成する英数国の問題)や大阪府のB・C問題等です。

* なお、都立高校の自校問題では、各高校で作成している科目とそうでない科目があちます。ご留意ください。

 

さて、これらの高難度の問題でトレーニングするときの注意事項です。

そういった難度の高い問題が解けなくても「自信を無くさないこと」です。

「出来なかった!ダメだ!」と落ち込まなくていいのです。

「新しい単語が分かった、ラッキー!」「解説でこの問題はその方法で解けばいいのが分かった」と新知識と理解を増やす機会として取り組みたいですね。

 

尚、この件は以下の動画でも解説しています。

 

 

 

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