抽象的な思考力強化のために ③

こんにちは。不定期の更新です。水曜日のアップが難しいため、本日といたします。ご了承下さい。

 

それにしても、関東地方におけるこの数週間の豪雨災害は信じられないレベルです。

一昨日の金曜日、所用で群馬県に出かけましたが、利根川を渡るときの川幅、水量共に見たことがないレベルになっていました。

温暖化やそれに伴う地球環境への影響が如実に出てきているのでしょうか?

高校入試の英語の長文読解問題で「地球環境問題」をテーマにしたものの出題が相次いでいるのも納得できますね。

 

さて「抽象的な思考力強化のために」というテーマも3回目です。

今回は前回の最後で予告いたしましたように、漢字等語彙力強化だけでは足りない部分をどう補えばよいかについて記載したいと思います。

 

まずは具体的な例を挙げます。

 

以前、中学生の国語の授業で作文を書いていた時のことです。テーマは「『過程よりも結果が大事だ』という考え方に対する意見を書きなさい」というものでした。

このような場合、次のようなプロセスを経て文章をまとめていくことになります。

 

①.「過程よりも結果が大事だ」という意見に対する賛成・反対の立場を明らかにする。

②.①の理由・根拠を書く。

③.②に対して予想される反対意見を自分で考えて書く。

④.③に対する反論を書く。

⑤.字数に余裕があれば、結論としてもう一度、意見を明確にしてまとめる。

 

さて、この作文をなかなか書きあげられない生徒さんがいました。

①はすぐに決まりました。「この意見に賛成だ」ということでした。

②は少々時間がかかりましたが「部活でもテストでも、結果を出さなければ評価されない。過程が評価されることはほとんどない」と書いていました。

そして・・・、③で詰まってしまいました。「う~ん」とうなるだけで時間が過ぎるだけだったのです。

 

このような場合、大人であれば「たとえ結果につながらなくても、きちんとした過程を踏むことは、次の機会に活かすことができる」「手抜きをして適当な結果になっても、得られるものは少ない」等という文章が頭に浮かんでくるのではないでしょうか。

しかし、この生徒さんはそうした考えを思いつかなかった。なぜでしょうか。

 

もちろん十数年しか生きていない中学生と数十年のキャリアがある大人との差が大きな原因ですが、そうしたことは工夫によって縮めることができます。

例えば「読書体験の増大」「新聞・テレビ等の情報入手を増やす」「同年代だけでない他者とのコミュニケーション密度のアップ」等の「自分一人だけでない体験・情報の入手」です。

そして、それらについて「考える時間を持つ」ことも必要となります。「情報は使ってこそ役に立つ。使わない情報は宝の持ち腐れ」と言っていいでしょう。

 

ここまで書けば、保護者の方々はお分かりかと思います。そうです。「大人の手助けや導きがあると、生徒さんの抽象思考力を強化する近道に通じる」ということです。

具体的には「新聞・テレビ・本などを一緒に体験し、意見・情報を交換し合う時間を作る」ということです。

1回の時間は短くてもいいですが、長期間続けることで生徒さんの抽象的な思考は徐々に強化されるでしょう。

 

そして、以上は塾講師としての私からのお願いでもあります。

 

 

 

 

 

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