書き始めたのは水曜日だったのですが、公開は日付が変わってからになったことをお詫びいたします。
さて、前回は「大問1」の配点について説明しました。今回はここ数年計12問で構成されている大問1の内容について見てみましょう。
では、2012年から2017年の入試までの各問題の分野を記載します。
2012年
(1)文字式
(2)正負の数
(3)無理数
(4)因数分解
(5)二次方程式
(6)連立方程式
(7)二次関数の変域
(8)空間図形の体積
(9)円周角
(10)相似
(11)①資料の傾向
②資料の傾向
2013年
(1)文字式
(2)正負の数
(3)無理数
(4)因数分解
(5)二次方程式
(6)連立方程式
(7)二次関数の変域
(8)正負の数
(9)反比例
(10)空間図形の体積
(11)①文字式
②文字式
2014年
(1)文字式
(2)正負の数
(3)無理数
(4)因数分解
(5)二次方程式
(6)連立方程式
(7)二次関数の変域
(8)確率
(9)平行線と角度
(10)空間図形の体積
(11)ア.文字式
イ.文字式
2015年
(1)文字式
(2)正負の数
(3)無理数
(4)因数分解
(5)二次方程式
(6)連立方程式
(7)二次関数の変域
(8)標本調査
(9)円周角
(10)確率
(11)①正負の数
②正負の数
2016年
(1)文字式
(2)正負の数
(3)無理数
(4)因数分解
(5)二次方程式
(6)連立方程式
(7)二次関数の変域
(8)平面図形の面積
(9)文字式
(10)資料の傾向
(11)①一次方程式
②文字式
2017年
(1)文字式
(2)正負の数
(3)文字式
(4)無理数
(5)因数分解
(6)連立方程式
(7)二次方程式
(8)文字式
(9)反比例
(10)二次関数の変域
(11)確率
(12)相似
参考:2017年 学校選択問題(大問1は計10問・45点)
(1)文字式
(2)因数分解・無理数
(3)連立方程式
(4)二次関数の変域
(5)確率
(6)相似
(7)①二次方程式
②二次方程式
(8)①正負の数
②文字式
2017年に一部の高校で学校選択問題を採用したため、この年から出題の傾向に若干の変化が見られた。それまでの大問1に比べると問題の難易度は低下していると思われる。これは明らかに高学力の受験生が「学校選択問題を採用した高校」に流れると予想してのことであろう。
もう一度2014年以降の平均点の推移を見てみると
2014年 45.0点 2015年 48.1点 2016年 51.1点 2017年 44.4点 (参考:2017年学校選択問題 43.2点)
となっており、44~51点の範囲で推移しているといえる。2017年度は偏差値60以上の受験生の主戦場が「学校選択問題を採用した高校」になっているので、2016年までと同様に埼玉県内の公立高校の問題が統一されていれば、この範囲内で推移したのではないだろうか。
2017年の場合、問題の配列がやや変わったが、2012年から2016年までの(1)から(7)までの計算問題を中心とした出題は変わっていない。
この基本的な計算問題だけで4X7=28点あるので、数学が苦手であってもこの28点だけはミスなくこなす必要がある。
特に数学が本当に苦手な人は中学校の定期テストや各種模擬試験でも得点が一桁ということもありえる。だが本番の入試では何としてもそれだけは避けたいところである。であるから、まずはこの(1)から(7)までの基本問題をクリアできるように、入試まで計算問題中心の学習計画を立てるといいだろう。
次に大学進学を考えて偏差値が55位までの普通科の受験を考えている人は、(7)までの基本的な計算問題に加えて「比例・反比例」「平面図形の面積」「空間図形の体積」「資料の傾向・確率・標本調査」までもざっと復習しておく必要がありそうだ。
ただし今上げた分野のあらゆる問題に対応できるような詰め込みではなく、基本問題に対応できればいいので教科書や参考書・問題集の例題を繰り返し復習して、解き方をマスターする程度で構わない。もちろんこれは「数学が苦手だが偏差値55位までの普通科の受験を考えている人」へのアドバイスである。数学での失点を最低限に抑えて、他の科目での反撃を考えている人、それを実行するつもりの人向けの計画である。
さて、その他の人については次回にお話ししたいと思います。
追記:上記の通り、2017年の学校選択問題の数学の平均点はかなり低く出ています。それに対して英語の平均点は71.9点でしたから、数学とは30点近くの差があります。このことから2018年の学校選択問題の難易度は英語では上がり、数学は下がることが予想されます。