過去のブログコラム

—————————————————————————————

ケーススタディ~私は生徒たちにこのように指導しました

2017年8月号

—————————————————————————————

こんにちは、埼玉県北で学習塾を経営しています、吉次真一と申します。

 

今まで、塾の運営方針を中心にお伝えしてきましたが、今回は、私が実際に指導してきた生徒さんの実例を2つご紹介します。実際の塾の学習活動の中で、進路指導がどのように位置づけられているか。その後、どのような効果がもたらされたかということが分かるようになっております。是非、参考になさって下さい。

 

ケーススタディ①:A君
「ものづくりが好き」から高校工業科へ。「好きな分野の優等生」は大学工学部へ進学し、今や海外出張を任せられる工作機械メーカーの若手のホープ

 

パーソナルデータ

在籍期間 2001~2007年
入塾時期 小5~高2
塾長から見た本人性格 基本的に明るく物怖じしない。ちょっとおっちょこちょいなところはあるが、愛されるキャラクター。ただしきちんとプライドも持ち合わせており、他の人からからかわれると時々ムキになる事もあった。
進学高校名 埼玉県立進修館高校(工業系)
進学大学名 東京電機大学工学部
就職先 長野県内の工作機械メーカー

 

指導履歴

入塾時

の状況

小学校中学年となり、あまり勉強が得意でないことに気づいた両親が塾に通わせることにした。はじめはK式、次いでチェーン店化している塾に行ったが、期待以上の成果が上がらず、塾を変えてきた。
学習指導方法 国語 基本的な読み書きは支障が無かったが、物語・小説の読解問題で「登場人物の気持ちは?」という問題が苦手だった。塾では「4コマ漫画を読んで、その内容を200字前後にまとめる」という学習を中2中盤まで展開。その際、必ず主人公の気持ちを「推測して書く」ように指導。その結果、模擬試験等でも徐々に「気持ちの読み取り」に対応出来るようになっていった。
数学 他の科目と比較しても安定した結果を出していた。ただケアレスミスがよく見られたので、見直しの徹底を指導。また難問でなく基本的な問題をしっかり解く学習を指導した。
英語 本人最大の難関。基本的な問題への対応力を高めるため、毎回の単語と塾オリジナルの例文を中心に学習。中3ではこの他に自習用テキストで「中2の前半までの繰り返し復習」を徹底させた。
入塾後1年の状況 両親は大学進学までを考えて、私立中学校の受験を考慮していたが、本人にその気がなく公立中学校へ進学。私見では受験していたら合格していたと思われた。
入試直前

の指導法

両親は私立高校の併願入試はムリではと悲観していたが、中3の二学期から模擬試験の結果が急上昇。「この調子ならば併願の私立高校もいける」という当方の声を信頼し、見事に高校の切符を一枚確保。

本命の県立高校入試前はややナーバスになっていたが「本当になあ、早く終われば良いのになあ」と共感する事で落ち着きを取り戻して、見事に第一希望に合格した。なお模擬試験(北辰試験)では、中3の一学期の平均偏差値は41~42。二学期以降の自己最高偏差値は48。半年足らずで6~7の伸長があった。

進路指導 本人は中1から中2にかけて「高校でも英数国理社の勉強をするのは嫌だな」「出来れば農業科か工業科で専門的な勉強をしたい」と考えていた。中2の時近くの工業高校の見学会に行く機会があったが、事前に塾でその事を話すと、当方から「旋盤っていう機械があるから見てきてごらん。すっごく面白いよ」と言われ、実際に見てみたらものすごく興味が湧いた。中3に上がってからは近接地区の工業科の三校全部の説明会・見学会に参加して夏休み中には志望校を決めていた。
塾長の主観的評価 選んだ高校との相性がピッタリだったという事が最大の成功要因。やはり現代の学校選択は実際に見学したり、学校行事に参加する事が必要不可欠である。仮に他の塾であったらどうだったか? 本人は「普通科への進学は考えられない」と言っていたが、中3進学時の成績から同地区の倍率の低い普通科か工業高校の別の学科に進学していた可能性もある。その時に、本人が大学へ推薦入学出来るほどの学習意欲を維持できたかは不透明な要素が大きいと言える。

 

付加情報
彼自身は高校で埼玉県の技能大会の旋盤部門で3位になったり、鈴鹿サーキットで行われたエコランの全国大会への参加した。埼玉県の公式行事でのミニSL運転の実演等もあり、これらの実績から県知事から表彰された。
また、大学への推薦入学も決定。卒業後は工作機械メーカーへ就職。本来はハードの設計がメインの業務だったが、最近では一部ソフトの仕事を任されるなど仕事の幅を広げている。
そんな彼からの言葉は「英語の赤点防止で高校の英語クラスに通っていた時、先生から『職人になったとしても、将来海外で技術指導をするかもしれない。だから最低限の日常会話位は話せるようにしておきなよ』って言われました。その時には『そんな事ある訳無いじゃん』って思っていたんですが、実は今度、ドイツの展示会に行く事になって、自分も機械の説明をしなくちゃならなくなりました。今、英語の基礎の基礎からやり直しています。ホント、先生が言った通りになったので、今の中学生や高校生には『自分には関係ないって思っていても、どうなるか分からないから、しっかり勉強する方が良い』って伝えて下さい」という事でした。

 

ケーススタディ②:B君
「公務員になってみんなのために働きたい」という彼は、決して順風満帆な航路でなくとも「初志貫徹」

 

パーソナルデータ

在籍期間 1997~2001年
入塾時期 小6~中3
塾長から見た本人性格 底抜けに明るいムードメーカー。調子に乗りすぎる点もあったが「やる時はやる」というスイッチの切り換えはしっかり出来るタイプ。
進学高校名 高崎健康福祉大学高崎高校(特進コース・特待生)
進学大学名 酪農学園大学地域環境部(現環境システム学部)
就職先 都内の地図関連の民間企業でのキャリアを経て、現在は埼玉県寄居町役場勤務。

 

指導履歴

入塾時

の状況

お母さんの知り合いの方からのご紹介で入塾。入塾時の学力は水準よりは上だが、目立って出来るというレベルではなかった。クラス全体にノリのいい生徒が多く、回りにはすぐに溶け込んでいた。
学習指導方法 国語 学校のテストで得点出来なかった訳ではないが、落ち着いて文章を読んで内容を熟考するのが得意ではなかった。また、書く文に時おり主述のねじれなどが見られた。当時は5分程度で読めるエッセイをみんなで読んだ後に、自分の意見・感想をまとめる学習スタイルを取っていたが、彼はその中で文章の内容と自分の経験を関連付けて説明をする形で読解力、作文力共に向上させていった。尚、彼の意見では「塾でやってきた作文学習が一番役に立ったのは、進学や就職の時の面接試験の時ですよ。相手の質問に対して出来るだけ早く、それも論理的に自分の意見をまとめて答えなければならないというのは、あの作文の時間によく似ていました。もちろんそれまでの学校内の試験や高校入試、大学入試でも役にたちましたが、やはり面接試験の時の自分の反応の速さに直結していたなあと思いますね」という事である。
数学 彼の得点源科目の一つ。ただ基本的な問題はきっちり対応出来ていたが、応用問題になると流石に苦戦するケースが多々あった。そこで解法を解説した後に家での復習を薦めた。他の人に比べるときちんと取り組んでいたようだが、特に中3になってからは確実に実行していた。
英語 得点が低い事は無かったが、自身の苦手意識の強い科目。どうしても単語のスペルが曖昧になったり、熟語の組み合わせを間違える事があった。まずは英語自体を認識するために教科書の音読。その上で単語・熟語の練習を行うように薦めた。「全然分からない」という事態を招く事無く「基本的な事は分かる」というレベルを維持できるようにつとめた。
入塾後1年の状況 クラスの明るさ、ハイテンションの中で「楽しい塾生活」を満喫している様子が見られた。将来については、お母さんが公的な仕事をされていたので、本人も「公務員の仕事がいいかなあ」と、中学校入学前後から漠然と考えていたようである。
入試直前

の指導法

数学・理科・社会が得意で得点源だったので、こちらについては自主学習用テキストを自分のペースで進める様に指導。

得点を伸ばしたい英語・国語は夏休みまでの中3前期で基礎固めを、後期は実際の入試問題に取り組んで、実戦力アップを図った。

進路指導 中2の冬休みに実施した二者面談で「みんなのために働く公務員になりたい」という希望を聞く。それに対して「公務員って言ってもたくさんの職種がある。君に合うのは何だろう? どんな仕事をしたいんだろう? 私も考えるから君も調べてみよう」とこの時には答えた。さて中3に進学して間も無く再び彼と話をする機会があった。私自身の考えを言う前に「どうだい、調べてみて何か分かったかい」と聞くと「警察の科学捜査研究所で働きたい」という答えが返ってきた。「俺は化学が得意だし、分からない物を調べるのに興味があるんです。そういう話を両親としていたら『こういう仕事があるよ』って教えてもらいました。調べてみるとこれは自分に合っている、ぜひこんな仕事をしたいと思いました。それから国立S大学の理学部化学科が科学捜査研究所に人をよく送り込んでいるらしいという事も分かりました。そこに行くためにはA高校かB高校に合格して、勉強を続けるのが一番いい。だからA高校を第一希望にしたいと思います」この中3生としては理路整然とした意見は「君は公務員よりも民間企業の方が向いているんじゃないかと思うよ」という私の考えを言う隙を与えなかった。それより最大の問題は「先生、今からの勉強で間に合うかな?」という彼からの質問である。直前の模擬試験の結果からは最低で偏差値10のアップは必要だという事が分かっていた。「簡単に到達出来る水準じゃないけれども、少しずつそのレベルに近づける事は出来る。焦らずに計画を立てて、ステップ・バイ・ステップでテキストを消化して実力を身に付けよう」とアドバイスして、二人で学習計画を立てた。彼が本格的に自主学習に取り組み始めたのは、部活動を引退した7月以降である。なお模擬試験(北辰試験)では、中2の3月の偏差値は49.8。中3二学期以降の自己最高偏差値は61.8。中3の一年間だけで12も伸びた事になる。
塾長の主観的評価 B君をケーススタディとしたのは「面談時の将来の展望に対する、しっかりした受け答え」「中3の一年間だけで偏差値を12上げたという頑張り」もあるが、彼自身の入試結果に対するその後の身の処し方も大きい。学習塾のコラムで取り上げるのは適当でないかもしれないが、以下話を続ける。

実は彼が進んだのは第二希望の高校である。しかし、それまで無かった男子サッカー部を創設し、初代キャプテンとして活躍した。また学習面では農学への関心が高ままった。

そこで「どうせ農学をやるならば北海道の大学で」と大学入試にチャレンジしたが、こちらも第二希望に進学。

そして大学卒業時、公務員試験も受験したが、結局民間企業への就職が決定。

その後、中途採用試験を受験して現在の職を得ることになった。

このように順風満帆な試験結果ではなかったかもしれないが、彼はいつも次のステップを考えて行動していた。挫折や紆余曲折はあったたかもしれないが、挫ける事は無かった。中2の時の「公務員になりたい」という初志を貫徹した彼には脱帽である。

 

付加情報
そんな彼からの言葉は「大学生の時、先生と一緒に東南アジアを旅行しましたよね。あの時に『英語を勉強しておけばよかった』と思ったんですが、先生が現地の人と話しているのを聞いていたら、中学生の時に『海外旅行で使う英語の大半は中学生英語だ』と先生が言っていた通りだと気付きました。だからこれならばと思って、帰国してから英語の復習を始めました。おかげでこのところ毎年のように海外旅行をしていますが、言葉で困った事はほとんどありません。塾の中学生には『今、勉強している英語位は使えるようにしておいた方がいい。自分の世界を広げる事が出来るよ』と伝えて下さい」という事でした。

 

 

—————————————————————————————

先生!その進路指導で生徒の進路を決めてもいいのですか!?

2017年7月号

—————————————————————————————

以前より学習塾でも、いえ学習塾だからこそ、生徒さん一人一人の将来の就業先を見据えた学習指導が大切であることを力説してまいりました。
今回は、なぜこのような指導を行わなくてはならないのか…、その理由についてお話ししていこうと思います。

 

保護者の方の中には「私の高校時代は少しでも偏差値の高い大学に入って、大企業に入社し、幸せな人生を送るためのパスポートを確保すると考えていたけれども、今振り返るとそれは誤りだったのかなあ…」と考えておられる人がいるかもしれません。
いいえ、30年前の日本では「偏差値の高い学校卒業」≒「経済的・社会的により良き将来」という公式が出来ていたと言っても、あながち間違いではありませんでした。
それが今になってなぜ通用しなくなっていると考ざるをえなくなっているのでしょう。以下にその理由を考察してみました。

 

理由①:学歴・学校間差別の崩壊が進む
私の新卒の頃は、石油ショック後の安定成長期でした。当時、下図のような目には見えないヒエラルキーが存在していました。市場価格のついた商品のみならず、人材においてもこのような露骨な選別が行われていたのです。

 

学歴とは、大卒、短大、高卒、中卒という区分けだけでなく、卒業した学校による選別―学校間格差を感じさせるものが多々あったのです。私の体験をお話ししましょう。以前は、就職試験解禁日というものがあり、一部上場企業ともなれば、この日程に沿って採用試験を行います。ここでは、首都圏の国公立大、早慶上智大等の卒業見込み生と、その他の生徒では、入社時から「別枠」で選考することがまかり通っていました。1983年に放映されたTVドラマ「ふぞろいの林檎たち」は、現在で言えばFランクの大学4年生である主人公3人が入社説明会で露骨な大学差別を受けるシーンで終わっています。
そして、入社後もこの採用枠の中で将来の昇進、昇給が概ね決められていた傾向が多々ありました。ですから、同じ会社であれば、自分と同じ学歴、同じ学力レベルの学校、学部であると、同じように昇進・昇給される先輩方がおり「20年後の自分」が自ずと予想できたのです。

 

 

このような事態を目の当たりにされた保護者の方も少なからずおられたでしょう。「自分の子どもには、あんな惨めな思いをさせたくない」と思うのも、無理のないことです。しかし現在ではこのような構図は、一部の上場企業を除いて徐々になくなってきていると言われているのです。

 

理由②:商品のライフサイクルと就業期間との関係の変化

ここではカラーテレビという商品アイテムを例にこれに関わる企業の有り様を説明してみましょう。下のグラフを見ると、1960年代に発売されて以降、カラーテレビは正に右肩あがりで製造・販売数が倍増していることが理解できます。バブル崩壊以前に、大手家電メーカーに在籍していれば、今のような市場の縮小は想像できなかったでしょう。

 

 

つまり、カラーテレビというアイテム(消費財)のライフサイクルだけとっても、その人の就業を安定化させるだけの長期間にわたっていたのではないということです。勿論、家電メーカーは、カラーテレビ以外の製品を市場に提供してきたので、業界自体は将来もかなり有望とされてきた訳です。
しかし現在はどうでしょうか。PCやタブレットなど、様々な機器の普及はテレビの存在を脅かしつつあります。否、PCやタブレット端末ですら、わずか数年後のことが予想できない状況にあります。ほんの10年前には「液晶ディスプレイでは世界最高」を自他共に認めていた、某国内メーカーは、今やアジアの某企業グループの傘下に組み込まれています。つまり、現在では商品アイテム(消費財)のライフサイクル≠長期的な就業期間を保証するのは困難であるということです。

 

なぜそうなったのでしょう?

 

カラーテレビという「ハードウエア」の普及の話をしたので、テレビに関わる「ソフトウエア(番組)」のことを話したいと思います。保護者の方々はかつての昭和時代に「国民的な人気番組」というものが多々あったことを記憶されているでしょう。「8時だョ!全員集合」「水戸黄門」などです。
しかし、ここ数年の動きを見るとテレビ局の長寿定番番組は、次々と終了する傾向が強まっています。テレビ番組のニーズに変化が生じており、これに対応できないと「ハードウエア」であるテレビ機の売り上げも減少していくことは自明のこととなっているのです。

 

ここで、ご存じの方も多いPFドラッカー氏(私が大学時代に最も多読した)の言葉を引用しましょう。以前は主に大量生産の製造業時代であり、ビジネスモデルが確立されたかに見えていました。企業も商品のモデルチェンジを進め、拡販のための販売促進(TVCF等)、生産拠点の拡大などを図っていきました。多少の技術革新は起こるかもしれませんが、社会の基盤となるものは「大して変わらない」と信じられていました。
このような社会体制では、与えられた仕事を効率よくこなす労働者が貴ばれました。上記の「20年後の私の人生もおよそ想像できる」というのも、そのような社会体制が生み出す錯覚というものかもしれません。これは「理由②」でご説明したとおりです。
しかし、今消費動向に大きな変化の波が押し寄せています。少し前まで消費財の花形であったテレビ、パソコンですら、10年はおろか、5年先ですら予測することが困難な時代です。およそ20年前にインターネットが使えるようになり、スマートフォンの普及の推進力となったiPhone OSが販売されたのが10年前。AI(人口知能)時代などの言葉がマスコミで報道されていますが、物流業界では既にこれらの技術が浸透してきています。政治家も、経営者も、強いリーダーシップで、国民を、従業員をけん引できるような時代ではなくなってきているのです。一人ひとりが新しい製品・サービスを生み出したり、新しいビジネスモデルを提案したりと「創造と革新」を繰り返すことが必要になったといえましょう。
前述のドラッカー氏は、こうした能力の持ち主を「ナレッジワーカー(knowledgeworker=知識型労働者)」と呼んでいます。彼らが目的、価値、意味を自らの知見、専門性によって創造し、企業や社会に変革をもたらし、貢献する時代が来ると予想しました。この予想は的中してきています。
このナレッジワーカーと対比されるのが「スキルワーカー(skillworker/マニュアルワーカーと表記される場合もある)」と呼ばれる人たちです。これまで官公庁、大企業における高学歴のエリートとされた人々が中心です(理由②)。彼らは、大量生産の製造業時代のビジネスモデルにおいて、巨大組織にとって必要であり、その運用を担わされてきたのです。
これら「スキルワーカー」と「ナレッジワーカー」の違いを表で対比します。

 

ナレッジワーカー   スキルワーカー
価値、意味を重視する ⇦⇨ 手続き、ルールを遵守する
自律的な行動を尊重する ⇦⇨ 管理者の監督による職務の履行
専門領域に対して帰属意識を持つ ⇦⇨ 企業に対して帰属意識を持つ
専門分野以外にも広い関心を持つ ⇦⇨ 専門分野のみに関心を持つ
仕事の目的、意味、価値に即して仕事をする ⇦⇨ 規則や前例にしたがって仕事を行う
創意工夫を加えて仕事の有効性と効率性を高める ⇦⇨ 決められた与えられた役割の仕事を行う

 

新しいビジネスチャンスを創造する

 

⇦⇨ 決められたルールにしたがって仕事を処理する

 

こうしてみていくと、「スキルワーカー」の全盛期は、高学歴者を昇進・昇給させるのは、ある程度、理に適ったやり方であることが分かります。
それは、既存のルールに最も適応した人物こそが「高学歴者」になれる傾向にあるからです。彼らは「勉強ができる」事から、保護者や社会の顕在的需要を感じとり、これに適応すべく力を蓄えてきた者と言えるのかもしれません。
「う~~ん、いまいち分からないな、ナレッジワーカー?スキルワーカー?実際にはどういう人?具体的に言ってくれないかな」
失礼いたしました。分かりやすくするために、事例を用いて説明しましょう。
スキルワーカーとナレッジワーカーの違いは、以下表にありますように、同じ職場にあっても、働き方、マインドの違いです。

 

  スキルワーカーな人々 ナレッジワーカーな人々
チェーン展開された

飲食業の従業員

本部の指示されたマニュアルにそって、精度を上げて接客を行う マニュアルの問題点を指摘し、その改善案を本部に提示し、マニュアルをより良きものに改変させ、最終的に顧客満足につなげていく
物流倉庫企業の総務課長 従業員の働きやすさを見直すための同業社の意見交換会を定期的に行うが、特にアクションをしない(会社の売上には、直接関係と必要ないと判断) 作業員が疲れにくい用具をそろえる。15時一斉に談笑タイムを設け、作業効率、社員同士の団結を強めることに努める。結果、従業員の定着率が大幅にあがった
工作機械の部品を製造する工場長 大手自動車メーカーとの取引を続けるため、注文に合わせた部品生産増を支える設備投資を進め販売拡大を目論む 取引先を海外にも増やしていくため、会社独自の部品開発をすすめ、従来の取引先に依存しないオンリーワン企業を目指す

 

ドラッカー氏は更に以下のように続けます。「自分の強みは何か」「自分はいつ変わるべきか」を知るべきであると。この点から見てみると、生徒一人一人の強みを把握して、進路指導をしている教育機関はどれくらいあるでしょうか。

「そんなの高校の就職担当の教諭や、大学の進路指導職員は、分かっているだろう。必要がれば、相談するから心配ないだろう?」とおっしゃるかもしれません。
しかし、上記の人々から学生の特性を踏まえた職業選択のアドバイスを受けることは相当難しいでしょう。なぜなら、彼らのすることは、学校に寄せられた「求人票」を生徒に紹介して、就職試験を受けさせることが中心になっているからです。その求人票の募集職種が学生一人一人の適正にあっているかどうかを見極めて適切な対応をする事はは殆どできていないというのが現状でしょう。
こういう状況だからこそ、私は就業先を想定した進路、学習指導の重要性を感じ、塾の活動の中でも特に力をいれているのです。全国に数多く存在する学習塾の中で、このような指導をしている処は、どれくらいあるのでしょうか。或いは塾や学校関係者は、皆、こうした流れを知らないのでしょうか。
そうではないのです。多くの塾はそんな遠い将来の話より、直ぐ目の前にある受験さえクリアしてしまえばよいと考えているのです。名のある学校の合格者数さえ増やしてしまえば、次の年もたくさんの塾生を迎えることができて、経営も安定する。残念ながらこれが本音と言えます。
じゃなぜおたくの塾では、そんなことをするの?

お恥ずかしい話、私も最初の職業選びは、大学就職指導員の「進められるままに」決めてしまったからなのです。私のように、自分の生きる方向性を見出せぬ若者の手助けをしたい。このような強い思いから二十年間、塾講師を続けております。将来の就業先を見据えた学習指導を続けて二十年ばかり。塾を巣立った若者は、その後どうなったか。

中学生時代からの目標であった国立医大に合格し、立派な医師になったA君。
「パン屋さんになる」と言って農業高校の食品科学課に進み、勉強が面白くなって、大学に進学。管理栄養士の資格を取得したBさん。
機械いじりが好きで工業高校に進学。旋盤技術で県大会3位となり「研究開発も面白そうだ」と大学に進学。現在は精密機械メーカーで働くC君。
おっとりした雰囲気から「人に接する仕事に向いてそうだね」と話していたDさんは、短大卒業後、保育士として子ども達に接する日々を送っています。
皆、社会の第一線で活躍されています。

 

とはいえ、全てうまくいっている訳ではありません。
関西の有力私大を卒業後、最近連絡がないE君。風の噂で何度かの転職をしていると聞いたが、その後どうしているだろう。
先日、私の友人から聞いた気になる話があります。彼は、SE(システムエンジニア)として、二十数年の実務経験を持つベテランなのですが、彼の同僚で誰もが知る有名な上場企業に在籍しながら、40歳後半になっても、たいした職歴も積めなくて、雑用的な仕事ばかりしている、覇気が感じられない人が実はかなりいると聞いたのです。
またそれとは異なり、私の実弟は財閥系専門商社の経理の管理職です。中堅の公立高校普通科から大学は文学部と、およそ畑違いの道を歩んできたのですが、卒業後、編集の仕事から会計事務所に転職。資格とノウハウを得て、企業内会計のスペシャリストとして、現在も第一線でバリバリ働いています。社会的な地位と年収もきちんとしたものを手にすることができたのです。
誰もが知る一部上場企業に入社ことで、社会的に高いステータスを得ることはできるでしょう。人脈も結婚相手もアドバンテージはあるでしょう。しかしいい会社(皆が名前ぐらい知っている上場企業)に就職しても、実際の職場で付加価値の高い仕事(職務経験)、十分な育成システムがなければ、10年後、厳しい現実と向き合うことになるのは目にみえています。
「風評に惑わされることなく、お子さんにとって本当に必要な教育を受けさせ、将来に実りある人生を送れるようにするには、どのような指導をしたらよいだろう」。
当塾から社会人となって「大化けした人財」を輩出しても、尽きぬ悩みです。それでも、自らの体験からも「この学習指導方法が、長い目でみて、お子さんの将来のために理に適っている」との確信のもと、日々精進を続ける毎日です。
「進路指導が何より大切」と言われながら、それを行うべき中学、高校、大学も指導教員の経験不足や、職場環境などから十分な指導ができていないのが実情です。「もっとしっかりしてほしい」と思う一方で「彼らの取りこぼしたことを少しでも我々が補完しなければ」との思いを強くする毎日です。
21世紀になり、既に17年。前世紀から「課題」とされてきた「少子高齢化社会」は労働者世代への経済的負担増のみならず、人口減による技術者の不足⇒インフラ保持の困難化・ITをはじめとする技術大国の低迷化を引き起こすという予想もなされています。
また、それをカバーすると期待されている「AI技術の社会への大幅な導入」は今日明日で一気に進むものではありません。当初は流通業界における軽作業からはじまり、交通機関、情報入力作業…と展開されるでしょう。
オックスフォード大学の予想では、現在の「仕事」の47%はAIにとって代わられるとされています。上記の軽作業的な仕事だけでなく、最終的には「高度な知識を必要とする」と言われている仕事の幾つかもその中に含まれています。
進路の指導をする者としては、このような社会情勢の変化等についても気を配る必要があると肝に命じています。

ところで、インターネット等では「この方法を実践すれば合格間違いなし」「この就活方法で、優良企業の内定確実」などとうたう情報商材が多数存在し、販売されています。しかし、他者から簡単に習った事で、自分の人生が「バラ色になる」という事はないという事は、私が言うまでもありません。勉強であれ自分の将来の職業であれ「王道なし」です。
このコラムの読者の皆さんが、そのような流言に惑わされることなく、産まずたゆまず、地道な努力を積んで所期の目標を達成されることをお祈りします。

最後に重ねてお伝えします。偏差値の高い大学卒業⇨一部上場企業に就職⇨物心ともに豊かな生活…は、既に幻想でしかありません。勉強することは大切です。しかし「学歴を積む」「資格取得を主眼とした」勉強だけでは十分ではありません。学習を進めていく中で「自分の強みは何か」を強く意識し、「その強みを生かすためにはどのような努力が必要」かを、我々大人と共に考えていくことが何より大切なのです。今の子どもたちは、学生時代に勉強しても、社会人となってから「自分はいつ変わるべきか」に気づき、実践することを余儀なくされているのです。私はこれからもこのことを肝に銘じ、進路指導に重きをおいた塾の学習指導をしてまいります。
少しでも興味を持たれた方は遠慮なく下記までお問合せ下さい。お待ちしております。

 

連絡はこちら

 

 

————————————————————————

その代金、納得できますか?~塾にまつわるお金の話

2017年6月号

————————————————————————

突然ですが、お尋ねします。

 

お子さん一人あたりの「学習費」が幾らくらいかかるかご存じでしょうか?

 

文科省の平成26年度統計をもとに、私立幼稚園、公立小中学、私立高校、私立大学に進学したと仮定し算出すると、ざっと1,160万円程度となるようです。

※注 同文科省の「授業料標準額」をもとに算出。大学の授業料ですが、各大学の要項等によると、理系学部は文系学部の1.5~2倍、医学部になりますと5~10倍が目安となります。これはあくまで参考値としてとらえて下さい。

※注 家庭教師費等は、別途、学習費総額に含まれております。

 

なお、ここには、自宅外から通学する生徒さんの生活費や、理科系などで徴収される実習費などは含まれておりません。

 

全国平均では世帯年収400万円~800万円家庭が60%以上。埼玉県ではここ数年、平均値は600万円を少し超える程度で推移しています。この中から住宅ローン、食費、光熱費等を払い続けて、教育費を捻出するのですから、これは「かなりの負担」であることが想像されます。

 

またまた、突然失礼いたします。埼玉県北の深谷市で塾を経営しています、吉次真一と申します。

今回は塾に関わるお金のことを、私の経験から、お話しさせていただきます。

 

さて冒頭の文科省の統計から、いわゆる学習塾に関わる費用について、ピックアップしました。

内訳を一部ご紹介しますと、このような数値となります。

 

年間 中学校、高等学校の学校教育費、学習塾、学習費総額(円)

公立中学校 公立高等学校

(全日制)

私立高等学校

(全日制)

学校教育費 128,964 242,692 740,144
学習塾費 204,583 95,450 142,063
学習費総額 481,841 409,979 995,295

 

※注 家庭教師費等は、別途、学習費総額に含まれております。

当塾でどれくらいかかるのかは、個別にご相談いいただくとして、学校外教育費としてかなりの額に及んでいることが分かります。

 

塾を運営する者として考えますと、これだけのお金をお支払いいただいている親御さんに対して、身の引き締まる思いです。生徒さんには、初志を貫徹され、有意義な人生を送られることを切に願うばかりです。

 

さて、塾の講師を始めて20年余り。同業界・業者の方々には、常に高い関心を持ち続けてきました。皆様から戴く授業料で生計を立てる者として、時には共感し、時には疑問に思うことが少なからずあります。

今回は、厳しいご批判をいただくことも覚悟して、これから塾をお探しの、あるいは、既に通塾させている親御さん向けにお話しをしたいと思います。

 

さて、各塾の授業料はどのように決めているのでしょうか?

他の職業と同様に、教育活動である塾も講師の生計が成り立つよう、そしてお支払いいただく親御さんがご納得いただけるような内容を提供できるだけの金額をいただくこと――これが基本的な考え方です。

 

しかしながら、ここで注意していただきたいのが、月次授業料は他塾に比べて安いのですが、オプションである長期休暇時の講習会や学校の定期試験に合わせた対策授業。更に弱点補強の名目で行われる特別講座(以上が殆ど強制参加)、教材費、冷暖房費、管理費等の諸雑費が別途かかる塾が多々あることです。

 

私の知る限り、塾の料金システムには、以下のようなものがあるようです。

月次

授業料

定期講習

(夏/冬等)費

特別講座費・定期試験対策講座費 教材費 冷暖房費

等諸雑費

管理費・

その他

A塾 × ×
B塾 × ×
C塾

 

※この内、当塾は「A塾」に属します。「教材費」は特別な理由がない限り、殆どかかりません。

「管理費・その他」では、北辰テスト(埼玉県内中学生向けの模擬試験)代のみ。

他の業界・業種と同じように塾も近接する地域内の同業者とは、競争関係にあります。従って多くの塾生を集めるために様々なサービス(自宅~塾への送迎、成績保証等)、CM(大手になればTVCFや毎週のように入る新聞への折り込み広告)等で他との差別化を図ります。安価な授業料もそのアイテムの一つです。

しかし当然の事ですが、学習の理解度を高めるという塾本来のサービスを超えるものを提供すれば、コスト・アップにつながります。また講師を雇用していれば、彼らが生計を立てるだけの給与を支払わなければなりません。

授業料を安くした分、どこかで徴収しなければならないことが起きるのです。

これでお分かり戴けるでしょう。これらの塾では、入口のハードルを下げて、入塾した後、塾生から追加料金(オプション料金)を戴くことで、高コストを回収し、高収益を上げているのです。

「なんだ、それって携帯やネットゲームと同じじゃないか!」

その通りです!お恥ずかしい話ですが、この業界では「教育は次世代を育成すること」という重責であることを忘れてしまい「事業」に精を出してしまっている方が少なくありません。

 

その上、保護者や塾の学生の方々にはさらなる注意が必要です。塾の授業料には携帯電話やネットゲームのオプション料金と大きく異なる点があるのです。

たとえば、対戦型ネットゲームなどの場合、お金出して強力な武器を手にすることで、相手を打ち破り、勝利の美酒に酔いしれることもできます。ストレス発散につながる訳ですね。

また、携帯電話の場合、追加料金で通信量を増やすことで利便性を高めることすらあるでしょう。

しかし、塾への支払い料金を高めることで、より多くの満足が得られるのかというと、その結果に首を捻るケースも多々あるのが実状です。それどころか、かえって部活動の妨げになったり、長時間学習を強要されたりと、より焦燥感を駆られる事態になることすらあるのです。

 

私の経験をお話しします。

かつて在籍していた生徒さんで、親御さんの意向で他の塾に移った人がいました。当塾は私語厳禁などという厳しい規則はなく、宿題等も「生徒の負担にならないように」考えられた質・量しか出していません。

生徒さん本人は楽しく通塾していたのですが、親御さんは「もっと厳しい授業」「もっとたくさんの宿題」でさらに学力アップを図りたかったようです。

結果は――塾を移る前のその生徒さんは、模擬試験で当該地区No.1の公立高校が合格圏だったのが、移籍後の模擬試験では偏差値が5以上下がってしまいました。

その塾では授業料だけでなく、ほぼ半強制的に参加を求められる教科別特別講座や長期休暇時の講習会等の費用を合わせるとかなりの金額になります。

成果が出せなかったことで焦ってしまったのでしょう。親御さんは生徒さん本人に「あんたなんか、あの塾で一年に100万円もかける価値は無いわよ!」と言ってしまったそうです。最終的にその生徒さんは上記の公立高校の滑り止めとして位置付けられている私立高校に単願で進学しました。

 

保護者の方々がせっかく苦労して得た貴重なお金がこのように無駄に使われてしまうのは、本当に残念なことです。

 

「なんだ!その上から目線は!」

 

いいえ、そんな気はありません。以上のような私の経験を踏まえて、こうした塾のオプション利用をいかに決めていくかについてお話をしたいと考えているのです。

 

私から提案したいのは、定期/不定期の講座は、お子さんの他の活動と鑑みて「本当に必要なのか」を見極めて欲しいということです。

ビジネスライクな目線でいくと、投資に見合う効果を検証する必要があるのではないでしょうか。

 

「難しいな…、いきなりそんなこと言ったって分からないよ」

おっしゃる通りです。

では、改めてお尋ねします。

 

お子さんを塾に通わせる理由は何でしょう?

なぜ、高校へ通わせようとしているのですか?

大学までの進学を考えられている理由は何でしょう?

お子さんが上級学校への進学を希望しているなら、なぜ時間の負担が多く、精神的にも肉体的にも厳しい部活動への参加についてのアドバイスをされないのでしょう?

 

「そんな一気に捲し立てられても…」

そうでした。大変失礼いたしました。

では話を進めましょう。

これらの問いにある程度明確に答えられる方は、この先をお読みいただく必要はありません。

もしも「うちの子は勉強する習慣がないから、夏期講習でも受けさせれば、少しはマシになるだろう」と考えている保護者の方がいるならば、少し待っていただきたいのです。

確かに時間と量をこなすことで学習の効果はある程度上がりますが、絶対ではありません。

 

否、もっと大切なことがあるはずです。

それは、今の学校生活の中で、勉強をどう位置づけているのか、目標設定はしているかということです。

さらに、目標設定をしたうえで、以下のサイクルを回しているかも重要になります。

 

当塾が想定する学習指導サイクル

 

上記サイクルの中で、講習会を受講するなら、動機づけとしては十分と言えましょう。

 

更にもう一つの例をご紹介しましょう。これは、当塾生から聞いた話をもとにタイムテーブルを作成したものです。

運動部に所属する中学2年生のタイムテーブル例(平日は朝、夕に部活動[大会や試合の直前は土日も]がある)

 

 

この生徒さんは、当塾に週2回通われています。

もしもこの生徒さんが他の塾に在籍していると仮定して、夏冬春の長期休暇でない、通常期に週2回の授業に加えて特別講座を受講するとしたらどうでしょう?

志望校合格に近づくことが大きく期待できますか?

 

もうお分かりと思います。部活動で少なくない時間を割かれ、体も疲労している。そんな中での特別講座。全くないとは言いませんが、このような状況の中で受講する特別講座で得られる学習効果は、期待された程は高くならないことは容易に想像できるものです。

 

「そんなこと言ったって…、じゃあどうしたらいいの?塾の業界には詳しくないから分からないよ」

 

そのような疑問、お悩みをお持ちの保護者の方々は、まず当塾に問い合わせをされるのはいかがでしょうか?当塾は「進路指導」に重きをおいて、学習指導を行う非常に珍しい塾です。今回ご説明した地域塾の実態や、塾選びでお悩みの親御さんにも参考となることも多いものと自負しております。

少しでも、興味を持たれた方は、遠慮なく下記までお問合せ下さい。ご連絡、お待ちしております。

 

連絡はこちら

 

————————————————————–

 

その塾にお子さんの未来を託すのは危険です!

2017年5月号

————————————————————–

 

大手学習塾の広告・ホームページには「今年度 浦和高校合格〇〇名、早稲田大学合格〇〇名」、などとうたったものが多く散見します。

 

これらの広告をみるにつけ、私は、常に首をかしげたくなります。そこで、父兄の皆さんに考えていただきたいのは、次のようなことです。

「高い偏差値の高校・大学に進学すれば、優良企業・公務員試験等に合格し、将来は幸福・安泰」なのでしょうか。

 

私は、何もきれいごとを言っているのではありません。塾講師としてこの20年間、様々な生徒さんの学習指導、進路指導にあたってまいりました。

 

保護者の方々も交えて、お子さんの将来の話し合いを多く持ってきました。

そして残念な事に、「少しでも偏差値の高い学校を卒業すれば、いい会社に就職、あるいは公務員試験に合格出来、将来は安泰になるだろう」、と考えている保護者の方々が未だに多いということです。

 

いい会社とは、誰もが名前を知っているような上場企業のことでしょうか。このような会社に在籍していると、素晴らしい職歴を積めるし、将来、社会的信用を手にして、安定した収入も得られる、心の平安が保たれる…。

 

でも、本当にそうでしょうか。

 

当塾卒業生の、就学後の就業状況については、後日、別の項でお話ししようと思います。

まず、今回は、多くの学習塾の教育方針と、就業に向けての指導実態についてまとめてみました。

進学するにあたり、塾選びをする場合、保護者の方々が陥りやすい盲点の三つ(誤解)があるかと思います。他塾から当塾へ移ってこられた生徒や、同地域塾の関係者から聞いた貴重な内容です。ご参考にしていただけたらと思います。

 

誤解1:TVCFなどでよく知られている大手の塾ならば安心

進学実績にみせられ、当塾を辞めて、大手の塾へお子さんを移される事がありました。しばらくして、お辞めになったお子さんの進学した学校名を聞いたところ、在籍時に私が想定した学校よりも下の学力の学校が多いのです。それは何故か。基本的に大手の塾は大きな教室、多くのクラスに分けて多くの生徒を収容して授業を行います。この中には、授業についていける子、そうでない子ができてしまいます。教育的な観点から見れば、講師は、ついていけない生徒のフォローをすべきですが、こうした塾では、あまりそうしたことはしないようです。

学習の指針となる進路指導や学習計画の立案も、一応、本人の意向を聞く態度は見せますが、模擬試験の結果に基づいて、「入れそうな」学校、コース(大学であれば学部)を勧める傾向にあります。ここである程度分かっていただけたかと思いますが、大手塾は、親御さんの多くがお勤めの民間企業と何ら変わりありません。教育を事業として、大規模資本の中で効率的に運営しているにすぎないのです。合格実績を販促活動と位置づけ、多くの生徒を集め、自ら企画した教材、講習、模擬試験の販売をして資金を回収するシステムを構築しているのが実態です。

このように見てみると大手の塾が一番注力しているのは「PR出来る実績を上げてくれる成績が最も上のクラスに属する生徒」であり、その他のクラスは「授業料を持ってきてくれる層」として捉えているのです。前述の「元塾生」も、「授業料を持ってきてくれる層」になってしまったに違いありません。

 

誤解2:生徒一人一人の学力、進度に合わせてくれる個別指導塾であれば安心

塾関係者の間では「個別指導塾では一定期間を過ぎると学力が伸び悩む」という事はよく知られている事実です。理由は学習計画・進度・内容等をほとんど、担当の先生が決めてしまうからです。こうなると「先生の言う事をするのが勉強」ということになり、やがては、先生の指示がないと、勉強を進んでやらなくなるおそれがあります。これでは学習意欲は上がりません。

また別の視点から見てみると、集団授業のクラスでは「◎◎高校が目標ならば、Aさんを追いかけて勉強していこう」というように身近なクラスメイトをステロタイプとして、具体的な目標としたり、その学習する姿勢、やり方を目の当たりにして、その方法を改善する事も出来るのですが、個別指導塾では難しいでしょう。受験勉強は、個別指導と同様、孤独な営みではありますが、受験そのものはライバルや、昨日までの自分を超えて合格を勝ち取る「克己」という精神的成長が必要なのですが、この点で他の塾の形態と比して不利と言わざるをえません。

ということで、個別指導に向いている生徒さんは、以下のようなタイプなのではないでしょうか。

教科の欠落が多すぎて、集団授業にはついていけないので、準備期間として、まずは基礎的部分の穴埋めに時間をかけて行わなければならないお子さんや、同級生と比して既に突出した学力を有しており、集団授業を受けることがかえって弊害となるお子さんに向いていると思われます。

 

 

誤解3:長いキャリアで信頼感のある個人塾「塾一筋〇年」ならば安心

埼玉県北地域の塾に顕著なのかもしれませんが、同タイプの塾では、塾での授業の他に、1年生の頃から、自宅で毎日2~3時間の予習復習を課していることがあります。加えて、夏期冬期講習とは別の、「オプションクラスの受講」を強く勧められるケースがあります。部活動を続けながら、通常の学校での授業、通塾する生徒にとっては、体力的、精神的にかなりの負担となります。そもそも、学校教育とは、学力伸長の他に、クラブ活動、地域文化等の参加を通して、総合的な人間力を向上させる場であり、勉強時間だけを積み上げる方法には、疑問を持たざるをえません。

また個人塾の責任者には塾の講師としてはベテランだが、民間企業等に就職したことがなく、塾生が将来就職する組織の実態をよく分かっていない人も多いのが現状です。このような場合「上級学校への合格さえすればよい」との思いから、前述のような無理な学習習慣を身につけさせることがあります。

さらに個人経営の場合、他同業他社との交流が密でないことがあり、同業者からの助言を聞きにくい傾向にあります。「忠言耳に逆らう」です。毎年それなりの進学実績があり、一見学習塾としての役割は果たしていることが、自らの行いを鑑みることさえしなくなるようです。しかし後述しますが今の世の中では、この合格実績も長い目で見ると、高い評価が得られない可能性があります。仮に志望校へ進学できたとしても、その選択が間違っていれば、その後の人生に大きなくるいが生じてきてしまうのです。

 

ここまで書くと、ある方は、こう思うかもしれません。

 

「あなたは、巷にある多くの塾全体を批判しているのか?何様だと思っているんだ!」

 

いえ、そうではないのです。ただ保護者の方には、長期的な視点に立ち、生徒さんの将来を考え、家庭、学校、塾での役割を明確化して欲しいだけなのです。

 

保護者の方々には、オーガナイザー、プロデューサー、あるいはコーディネーターとして、学校、塾を上手に使っていただきたいのです。上記の塾そのものがいけないとは申しません。

ただ生徒さん自身の志向、性向を見極めないで、世の評判だけで、塾、学校を決めてしまうことが危険であると言っているのです。

 

「ではおたくの塾では、どんな指導をしているというの?」

 

その前に、まず自己紹介をさせていただきます。私、埼玉県北の深谷市で塾を経営しています、吉次真一と申します。

 

大学卒業後、10年ほど商社、市場調査会社勤務を経て、高校時代の友人から勧誘を受けて学習塾の専任講師になりました。約10年前に独立して、今に至ります。後述しますが、この経歴こそが今の塾運営に大きく役に立っています。

 

<<大地学習塾岡部校について>>

これまで誤解1~3についての特徴を表にまとめましたので、これらをもとに、当塾の説明していきたいと思います。

メリット デメリット
誤解1:

大手の塾

・多くのライバルがおり、(競争に勝ち抜けば)勉強に張り合いが出る

・講師個人の力ではなく、組織として受験指導に取り組む姿勢(バランス感覚)ができている

・模擬試験などの結果で志望校を輪切りにされる傾向にある

・授業についてこれなくなると、フォローを受けにくい

誤解2:

個別指導塾

・教科欠落されたお子さんが基礎的部分の穴埋めに使うのに適している

・突出した学力をもつお子さんが周りに気にすることなく学力伸長を図れる

・先生主導で計画、実行、見直し等を行う為、指示待ち生徒になりがち

・身近なライバルがいないため、学習意欲を保ちにくい

誤解3:

地域個人塾

・自習がニガテな生徒に勉強する習慣を身につけさせてくれる

・大手塾で起こる「落ちこぼれ」を作らないキメ細かい指導、個別指導塾にありがちな良い意味での「ライバル不在」をなくせる

・無理な学習計画を立てがちになる

・他同業他社との交流が密でないと、社会情勢に乗り遅れる可能性がある

 

当塾もケース3の個人塾に相当しますが、これらを補完するため、以下のことを実践しております。

 

問題点 当塾の対応
理不尽な志望校選定 入塾時から定期的な話し合いを通じて、本人の特性志向に合わせた将来の職業に関する相談、アドバイスを経て志望校を決定
授業についていけなくなる 通常の集団授業とは別に自習場所を提供し、「補習」が可能な環境を用意している
ライバル不在 同じ地域の同学年の塾生と勉強するため、互いに刺激を受けながら勉強することが可能
無理な学習計画 長期的な展望にそった本人の特性志向、能力に合わせた学習計画の策定と、その実践
社会情勢の把握 同業者、異業種交流会を積極的に参加し、新聞やネットなどの情報によらない、「生の情報」をもとに進路指導に生かす努力、研鑽
学校研究 現役塾生を想定しながら、学校説明会に積極的に参加。学校の情報収集、研究、分析を通じ、最適な学校紹介を可能にしている

 

 

例えば中学2年生で管理栄養士を将来希望するなら、どういう高校に進学して、それからどういう高等教育(大学家政科)を受ければいいかまで話し合います。
また埼玉県内はもちろん、隣接する群馬県、更に東京都内の中学、高校説明会等に積極的に参加しています。よって各学校のカラーも熟知していますので、塾生に学力だけでなく校風のあった学校を紹介することも可能です。
公立中学とは違い、高校は公立、私立を問わず様々な地域、性格の生徒さんが入学されますし、独自の教育方針を持っています。生徒さんの高校生活を充実したものとするためにも、まずは生徒さんの指向・性格にあった学校、あるいは学力面で脱落しない学校を目指す必要があると考えます。
同じ学力でも、競争に参加することで、勉強に対するモチベーションが上がる生徒さんと、そうでない人がいます。そのような観点から、私は生徒さんにベストな学校をご紹介できるよう、常に学校の情報収集、研究、分析を怠らず続けているのです。

 

このように、私の塾では、日常の学習指導のベースとなるものとして、進路指導に非常に重きを置いているのです。

でも、皆さんの中には、こうおっしゃる方もいるでしょう。

「そんな事、どこの中学校、高校の進路指導でちゃんとやっているでしょう?」

企業で社員採用を経験した事がある友人からの情報では、どのような学校でも指導教員の経験不足や、職場環境などから十分な指導ができていないケースが多いのです。
進学を希望している学生の場合、進路指導の成果は上級学校の力に委ねられますから、当該学校の指導教諭は責任を回避できます。しかし就職希望の学生(高校)の場合はどうでしょう。就職指導担当の教諭が、授業や行事、事務作業の合間に企業訪問をして、求人を確保していきます。
ただし年々、企業採用担当者と担当教諭とのミスマッチが顕著になっております。それは担当教諭が未だに「地元で名のある企業」「首都圏に本部を置く販売員募集」など採用枠に当てはめることに終始していて、生徒の特性を見極めた上での指導は、二の次となっているからなのです。
その一方で人事担当者は、毎年同じ高校からよりも広く人材を募集した方が、たとえ高い経費を払っても企業の戦力となりうると考え始めています。募集の手段も、職安だけでなく、ネットを媒体とした人材紹介が広く普及しており、選択肢が増えていることも背景としてあります。

このような「ミスマッチ」は何故起きるのでしょう?  そして、 何がいけないのでしょう?

このことは、機会を改めて詳細をご説明したいと考えておりますが、中学、高校、学習塾であれ、進路指導も十分に行わない内に、現時点の学力だけで志望校を決めてしまい、ただ勉強させている教育機関があまりにも多いからなのです。

当塾のある地区の某私立高校がしているという「進学指導」を聞いて愕然とした事があります。
その高校では文系の私立大学志願の生徒に「なるべく偏差値の高い大学の文系の学部を全部受けるように」…つまり法学部、経済学部、商学部、政治学部、経営学部、文学部などです。そして複数の合格通知を得たら「一番偏差値の高い大学の一番偏差値の高い学部に行くように」というのが、その高校の「進学指導」でした。
冒頭での親御さんの「誤解」も、こうした学校関係者の指導方針に起因しているのかもしれません。
同校も、見方を変えると、学校法人としての民間組織であり、「受験生は、高校のための広告塔」とみているのです。と同時に、学校関係者側でも、進路指導の在り方についての「逡巡」がある。高度経済成長期には、ある程度、的を得ていた従来の指導方法に「制度疲労」が生じているとも言えます。
確かに、当事者側にも、なかなか進路を決められない事情があるのも事実です。
かくいう私自身もそうでした。大学進学後、就職活動にあたっても、担当教授の薦めるままに自分の適性や指向、性格等を考慮する事なく専門商社に就職。しかし安定よりも「興味のある事をしたい」と市場調査会社へ転職。こうして民間企業に十年以上働きながら「自分を生かす道」について自問自答の日々を続けていました。そんなある日、高校時代の友人から「塾講師をやらないか」との誘いがあり、これが言わば「終の生業」となるのです。今では「これが私自身の天職である」と自負しております。
このような自らの経験から、進路指導よりも「まず学力ありき」という現代日本の中で、少しでも、子どもたちに希望をもって生きてほしい。「あなたたちは自分の可能性と方向性を自分で決める事が出来る」「学力はそのためにある」というメッセージを伝えたい。
私がこの塾を開講したのはそのような理由によるのです。

日々の勉強する原動力となるものは何でしょう。それは将来なりたい自分に近づけるために努力を重ねる事ではないでしょうか。もちろん、有名高校、大学への入学が当座の目標として掲げるのも悪くはないと思いますが、本当の目標は、その先にあるのです。

私の言いたいのは、保護者の方々には今の教育システムそのものを信頼しすぎないで欲しいということです。ですから、学校、塾の役割を決めることは、保護者の方ご自身でなさって下さい。その際、前述していますように、学校に進路指導を一任するのは得策とは言えません。ですから、保護者の方が現在~未来への就業状況を分析して、お子さんの良き相談相手となれるよう、常に研究を怠らないようにしましょう。
その前に「まずは、学力の底上げに塾を通わせる!」と考えたとしましょう。その際、塾の運営方針を十分に理解し、お子さんの志向、性向にあったところにしなくてはなりません。
就職活動が終わるまでの、学校、塾、習い事に通わせるための教育予算の計画も必要でしょう。

えっ?「我が家は夫婦共働き。そんなことをやっている時間なんてないよ」
ごもっともです。
お子さんを塾に通わせようかという保護者の方々は40~50歳代の、仕事の面でも、社会的な観点からも「私」よりも「公」の立場を優先させなければならない人がほとんどのはずです。
そう、ですからそういう方こそ当塾をご利用下さい。当塾ではお子さんの学力伸長だけでなく、本人の特性志向に合わせた将来の職業に関する相談、アドバイス、お子さんの将来に対する考え方について、親御さんへの情報提供、コンサルティングも行ってもおります。

私は、塾の卒業生でも、相談ごとがあれば、喜んで応じています。自分で手にあまることであれば、民間企業にて現役で活躍される私の友人の意見をもとに答えるようにしています。上位校進学だけのその場限りの対応をしません。
当塾は、目標設定(進路指導)から、生徒さん一人一人の能力、適性に合わせた学習指導を行います。この指導により当塾を巣立った人は様々な分野で活躍されています。

 

そのお手伝いをこれからもさせていただきたい。

最後に三國志の天才軍師の誉れ高い諸葛孔明のこんな言葉をご紹介して、この稿を終了します。

 

優れた人は静かに身を修め、徳を養う
無欲でなければ志は立たず、穏やかでなければ道は遠い
学問は静から、才能は学から生まれる
学ぶことで才能は開花する
志がなければ学問の完成はない

 

人は学ばなければなりません。しかし「何のために学ぶのか」を自分なりに考えずに、やみくもに勉強だけするのは普通の人間には苦痛です。
世の中に貢献するために何を勉強すればいいのかを常に意識しつづけ、行動する事で自己の存在理由を確認出来るのではないでしょうか。
言わば「学習を通して常に新たな自分を発見し、その可能性を拡大する」のです。高校、大学はそのための通過点に過ぎません。決して人生の目標ではないのです。
新たに進学する学校へも、そのような考え方で行動すれば間違いはないのだと確信いたします。
少しでも、興味を持たれた方は、遠慮なく下記までお問合せ下さい。ご連絡、お待ちしております。

 

連絡はこちら